レノボ、13.3型で約973gのノート Yoga Slim 770i発表。90Hz液晶など大幅強化

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橋本新義

橋本新義

IT系とゲーム系のフリーライター(タイプ:出オチ)

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PCとキーボードやディスプレイなどの周辺機器、スマートフォン、シューティングゲームなどを好むおじさん。隙あれば出オチやネタ、製品にまつわる余談やいい話を組み込もうとして記事が長くなる程度の能力を持つ。アイコンは漫画家『餅月あんこ』先生の筆による似顔絵です。

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レノボ・ジャパンが、13.3インチ液晶を搭載し、約972.7gからの軽量モバイルノートPC『Yoga Slim 770i Carbon』を発表しました。コンシューマー向け高級機であるYogaシリーズの最新世代の中で、最も軽量なモデルです。

発売予定日は9月2日。本体カラーは『ムーンホワイト』と『オニキスグレー』の2種ですが、販売ルートによってカラーが分けられたタイプとなります。

ムーンホワイトは量販店販売のみで、タッチ画面タイプ。対してオニキスグレーはオンラインストアのみの販売で、タッチ非対応画面タイプとなっています。

価格はオニキスグレー(直販モデル、タッチ非対応)が税込18万円前後から。ムーンホワイト版(店頭モデル、タッチ対応)はオープンプライスとなっています。


市場における位置づけとしては、13.3インチで1kg以下の正統派モバイルノートPC。大きな特徴は最高リフレッシュレート90Hzで、Windowsのモバイルノートとしては高解像度な2560×1600(WQHDのアスペクト比16:10版)液晶画面を搭載するのが特徴です。

CPUには最新モバイルノートで採用例の多い、インテルの第12世代Core i(TDP 28W版)を搭載し、GPU(グラフィックス)はCPU内蔵タイプとなります。

またレノボ製ノートPCにおける位置づけは、約966gからの軽さと“白いカーボン”のキャッチフレーズなどで日本でもヒットモデルとなった『Yoga Slim 750i Carbon』(2020年12月発売)の後継となるモデル。

最軽量構成での重量こそ公称で約7gほどの増加となっていますが、CPUの世代交代を中心とした速度アップと、最高リフレッシュレートが90Hzに高速化され(750iは60Hz)、色域なども拡大された液晶パネルなど、使い勝手を左右する箇所での幅広い強化がなされています。


大きな強化点となるディスプレイパネルは、レノボの新・高画質ブランド『PureSight』(ピュアサイト)認証をパスした仕様。
最大の特徴は、スクロール画面やマウスカーソル移動などが滑らかになる、最高90Hzのアダプティブ(自動設定・可変)リフレッシュレートに対応した点。ゲーム向けモデルはともかく、モバイルノートPCでは60Hzを超える機種は非常に珍しいため、先進的と呼べるポイントです。

▲ベゼル幅は最新世代らしい狭さ。カメラの出っ張りこと『コミュケーションバー』も継続します

また、色域(色を表示できる範囲)も、sRGB比で110%にまで拡大。750iではsRGB比100%だったのに比べ、より深みのある、鮮明な色が表示できるようになりました。

もちろん、750iで特徴的だったアスペクト比16:10、2560×1600(2.5K)解像度はそのまま継承。最新世代のノートPCの外観で重要なナローベゼル度(画面占有率)も91%と、非常に高水準です。

▲事前説明会の展示機もCore i7-1260P搭載。タスクマネージャーは16個分に

基本性能の面では、CPUとして採用されたインテル製Alder Lakeこと第12世代Core iが威力を発揮。標準構成として挙げられている『Core i7-1260P』の場合では、CPU構成は12コア(高性能コア×4+高効率コア×8)16スレッドで、ターボ時最高クロックは4.7GHz。

1基ながら大型の冷却ファンの搭載により、基本TDP(消費電力と発熱の目安)28WのCPU性能をしっかりと引き出します。


そしてもう一つの特徴となる本モデルの軽さを支えているのは、現行モデルの750iに続き、天板側素材として採用したカーボンファイバー。これにより、金属では難しい剛性と柔軟性、軽さの三要素を、高いバランスで実現します。

さらに他のパームレスト面と底面側の素材には、金属の中で軽量なマグネシウム-アルミニウム合金を採用します(この構成は750i Carbonと同様)。

こうした素材や本体剛性を支える構造設計により、米軍調達仕様『MIL-STD-810H』準拠のテスト8項目をパス。さらにレノボ自慢の社内認証試験も実施し、堅牢性の面にも配慮。レノボ側は「過酷な環境でも安心して利用できます」とアピールします。

そして使い勝手の面でも、もう一つの特徴が。それは750iに対して内部レイアウトの見直しなどにより、キーボードの幅を本体ほぼいっぱいまで広げた『Edge to Edgeキーボード』設計となっている点。

これにより、モバイルノートの日本語配列で縮小されがちな右手側キーなども、ほぼフルサイズとなっています(ただし、右ShiftやEnterキーなどは“海外配列と共通化された”構造となっていますが)。


また、今回の本体カラーである2色は、天板とパームレストの色味を微妙に変化させ、ツートンカラー的な組み合わせになっているのも特徴。側面などに丸みを持たせた新しいデザインテーマと合わせて、上位モデル『Yoga Slim 970i』と共通する、優美さを感じさせる仕上げとなっています。

さらに塗装仕上げには、指紋が付きにくい「3層サーマルコート」を採用。8時間の高熱焼成と6時間以上の塗装工程でじっくり仕上げることで、仕上げの美しさと汚れに対する耐久性を兼ね備えます。
このあたりの仕上げは、現行の750iとはかなり異なっているため、もし機会があったら見比べてみて欲しいところ。

拡張端子はThunderbolt 4(兼USB Type-C)が1基と、USB Type-C(最高10Gbps)が1基の合計2ポートと、3.5mmヘッドセットジャックのみ。750iでは本体左側面にThunderbolt 4×2基(USB Type-Cとしては総計3基)を搭載していたため、Thunderbolt 4がまるまる1ポート減少した計算です。

またバッテリー駆動時間も、CPU強化の関係もあってか、公称で最大約12時間に。750iでは約14時間であったため、短縮となっています。拡張端子と合わせて留意が必要なところでしょう。

本機の主な仕様は下記の通り。

本体サイズ……約300.1×206×14.8mm(幅×奥行×厚さ)
本体重量……約972.7g(最軽量構成)
ディスプレイ……13.3インチ、2560×1600/16:10 IPS液晶、最高90Hz(タッチ対応モデルは10点対応)
CPU……インテル製Core i7-1260P(12コア[4P+8E]16スレッド、最高4.7GHz)
GPU……CPU内蔵Iris Xe グラフィックス
RAM……8GB または 16GB
ストレージ……512GB SSD(NVMe/PCI Express接続)
バッテリー駆動時間……最大約12時間(JEITA 2.0)
USB端子……Thunderbolt 4×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(10Gbps)×1
拡張端子……3.5mmヘッドセットジャック(入出力兼用)
生体認証機能……顔認証
標準搭載OS......Windows 11 Home 64bit版
ACアダプタ……65W、USB Type-C接続

▲ツートンカラーがわかりやすいのがムーンホワイト。天板側は白さが印象的ですが……
▲底面側はシルバーが目立つ仕上がりに。パームレスト面もこの色なので、中もホワイトの750i Carbonとはかなり印象が異なります

このようにYoga Slim 770i Carbonは、評価の高かったYoga Slim 750i Carbonを元に、画面や処理速度といった、使い勝手に関わる箇所をほぼ順当に強化した仕様のモデル。750i Carbonは「1kg以下のノートPCとしてはかなり高速なCPUを搭載し、それをしっかり支えられる冷却機構も備えた」点が特徴でしたが、そうした特徴をしっかりと引き継いだバランスと呼べそうです。

レノボ入魂の“白いカーボン”は、本体カラーも相まってYogaシリーズの認知度を広げるモデルともなりましたが、本機の実力はその後を継ぐに十分。今世代も間違いなく、1kg以下のモバイルノートPCとしては“一つの基準となる”モデルです。

●Source:レノボ・ジャパン 製品ページ

《橋本新義》
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