毎年アップルの新製品発表イベントが近づいてくると、話題になるのが「過去モデルのアクセサリーが流用できるのか?」です。
今年の「iPhone 14 Pro」(仮)モデルも背面カメラが強化され出っ張りが大きくなり、iPhone 13 Pro用のケース類は使えないと予想されています。
そうしたなかでおそらく唯一、初代から最新モデルまで頑なに互換性が守られてきたのがApple Watchのバンドでした。ですが、今年から登場するとみられる大型かつ頑丈な「Apple Watch Pro」(仮)モデルでは、従来バンドとの互換性はないか、あるとしてもフィット感が落ちるとの噂があります。
情報源は2つあり、1つは名の知れたリーカー「Unclepan」氏が中国SNSのWeiboに投稿したつぶやきです。それによれば、47mm/48mmモデル(Proモデル)は角張ったデザインのためバンドの幅が広くなり、古いバンドは使えないとのこと。
Unclepan氏は過去にいくつか正確な情報をリークさせてきた実績があり、特にApple Watch Series 7の画面サイズが41mm/45mmに大きくなる(従来は40mm/44mm)と的中させたこともあって、それなりに信ぴょう性は高いと思われました。
が、やはりアップルの社内事情に詳しいBloombergの名物記者Mark Gurman氏が、この噂話に反応しました。そもそもGurman氏はApple Watch Proが開発中だと1年以上前から主張した人物であり、最近のニュースレター「Power On」は週刊Apple Watch Proの趣きさえあります。
そのツイートによれば、Apple Watch Proでは古いバンドがサポートされると信じているとのこと。ただし、新型ウォッチのサイズのせいで上手くフィットしなかったり、シームレスに見えないかも……と少し歯切れの悪いコメントです。
今までの経緯から考えれば、Gurman氏の見解が妥当と思えるはず。なぜなら歴代Apple Watchの画面サイズは何度か変更されながらも、バンドだけは同じものが使えたからです。
2015年の初代用バンドさえ、最新(8月時点)にして7年後のSeries 7でも流用できる互換性の息長さは、他社製品にもほとんど例がないでしょう。おそらく、バンドはApple Watch本体の何倍もの数量を各店舗に卸しているため、新モデルでも流用“できなければならない”事情もあると推測されます。
しかし、今年の新型Apple WatchはProモデルだけではありません。Apple Watch Series 7とほぼ同じデザインを継承する「Apple Watch Series 8」(仮)や、やはり過去モデルのサイズを踏襲する廉価モデル「SE」の後継デバイスもあり、あえてProモデルだけは専用バンドに切り替え、互換性を断ち切るという選択肢もあり得そうです。
また、「一応は過去モデル用のアクセサリを物理的に繋げられるが、微妙に収まりが悪い」先例もあります。たとえば去年の12.9インチiPad Pro(2021)でも、前モデル用のMagic Keyboardは問題なく利用できるものの、本体の厚みが0.5mm増しているため、閉じた状態ではすき間が空く、ということもありました。
今のところどちらかは判断しかねますが、約1週間後の「Far Out」イベントではすべて明らかとなるはず。もっとも、1時間程度のイベントでは、Apple Watch用バンドの互換性まで紹介する余裕はないかもしれません。