アップルは8月末、iPadの次期大型システムアップデート iPadOS 16を10月まで延期すると発表していました。
iPhone用のiOS 16は9月に一般公開されたものの「iPadOS 16」の正式配信は見送られ、最初の公開バージョンはiPadOS 16.1となる見通しです。
そして10月と言えば、アップルの新製品が続々と登場するとうわさされてきた時期でもあります。そんななか、iPadOS 16.1のリリースは10月の最終週になるとの予測が出てきました。
発信源は、アップルの内部情報に精通するBloombergのMark Gurman記者です。Gurman記者の情報源によると、iPadOS 16.1は新たなバグや問題がなければ、10月24日(米現地時間、以下同)の週にリリースされる予定。
iPadOS 16の「バグ」としては、かつては本格的なマルチタスク機能・ステージマネージャが最有力候補の感がありました。複数のウィンドウを重ねたりサイズを変更できるもの、数分おきにアプリがクラッシュする、UIが崩れたとの報告もあります。
しかし9月末時点での最新ベータでは、当初は必須とされてきたM1チップ以降の搭載機種ではない古いiPad Proでも使えるほどこなれてきたこともあり、大きな不安はなくなっていると思われます。
それ以上に注目なのは、Gurman氏が「これまでアップルは、10月の決算発表の週にローンチ(新製品の発表)を行ってきました」と言い添えていること。すでにアップルは10月27日(米現地時間)に2022年度第4四半期業績発表を予告しており、まさに「24日の週」となっています。
ちなみに、Gurman氏の言う「アップルは決算発表の週に新製品を発表する習わし」は必ずしも事実ではありません。たとえば14インチ/16インチMacBook Pro(2021)の発表は10月18日でしたが、2021年第4四半期の業績発表は28日でした。発売日の26日を「ローンチ」に含めれば、辛うじて該当します。
ともあれ、独自の情報源を持つ記者が「iPadOS 16.1と同じ週に新製品を発表だと信じている」ことは確かでしょう。またアップルがiOS/iPadOSのメジャーバージョンを、新製品の発表直後に配信開始することも慣例と言っていいはずです。
また先日Gurman氏は、年内のアップル新製品は「大きなイベントを行うだけの持ち合わせ(ニュース性ある製品)」が残ってないかもとして、ニュースリリースのみで発表されるとも予測していました。
以上をまとめると「10月最終週にiPadOS 16.1リリース、その前後に(株主にとって明るい材料の)新製品を発表してから業績発表に臨む」という生々しい予想図が描けそうです。
では、10月最終週にどんな新製品が発表される可能性があるのか? 9月末時点では、以下の製品群が有力視されていました。
Mac miniのM2および「M2 Pro」モデル
「M2 Pro」と「M2 Max」チップ版の14インチと16インチMacBook Pro
M2搭載の11インチおよび12.9インチiPad Pro
A14チップ(iPhone 12と同じ)搭載、RAMを増量したApple TV
これらの予想は9月中旬にほぼ固まっています。詳しくはこちらをご確認ください。
その後に急浮上しているのが第10世代iPad、いわゆる廉価な無印iPadの次期モデルです。
これまでのうわさを総合すれば、筐体デザインは最近のAirやminiのようにフラットエッジとなり、iPhone 12と同じA14 Bionicチップ(第9世代モデルはA13)が搭載され、Lightning端子がUSB-Cポートに替わり、画面が少し広くなってカメラが強化される、といったところ。「CAD再現画像」と称するものも公開されていました。
なぜ急浮上したのか。それはiPhoneやiPad用アクセサリー企業のESRが、日本のAmazonストアで「iPad第10世代ケース」の販売を開始したためです。初出ではそう表記されていましたが(下画像を参照)、記事執筆時点では「ESR iPadケース」と世代やモデルがよく分からない製品名に修正されています。
iPadOS 16.1ベータについては大きな不具合も聞こえてこず、正式リリースが迫っているのは確かなはず。あと10日と少しでアップルの新製品(群)を迎え撃てるかどうか、銀行口座の残高と相談しておきたいところです。