SteelSeries最上位ヘッドセット『Arctis Nova Pro Wireless X』Xbox版まさかの国内販売

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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北欧の老舗 SteelSeries が、新世代ゲーミングヘッドセットの最上位モデル『Arctis Nova Pro Wireless X』 をAmazon.co.jp限定で国内発売しました。

「ミスタイプか?」と思った一部特定ゲーマー各位へ。何かの間違いかと見直しましたが嘘ではありません。

SteelSeriesが多機種向けに展開するヘッドセットのうち、末尾が「X」で終わるいわゆる「X型番」、これまで国内ではスルーされてきたXbox特別対応モデルがまさかの国内販売です。


気を取り直して製品の話に戻ると、Arctis Nova はゲーミングデバイスの老舗SteelSeries が展開するド定番ゲーミングヘッドセット Arctis シリーズの機能・デザインを数年ぶりに刷新した新世代モデル。

Arctis Novaシリーズはコントローラに直付けするシンプルで安価なモデルから、低遅延のゲーミンググレードUSB無線接続モデル、スマホのチャットアプリともつながるデュアルワイヤレスモデルまでラインナップしますが、なかでも『Arctis Nova Pro Wireless』は機能特盛りの最上位にあたります。

Nova世代で改善された装着感やデザイン、定評ある40mm径ドライバ、口元に伸ばせて完全収納できるブームマイク+AIノイズキャンセル等々に加えて、Pro Wireless は

  • アクティブノイズキャンセルと、環境音を聴き取るトランスペアレンシーモード

  • 低遅延USB無線を2系統切り替えでき、使い回せる「マルチコネクトシステム」

  • スマホやPCと接続して、ゲーム機の音と同時に聞けるBluetooth接続 / デュアルワイヤレス

  • 交換式バッテリー+ホットスワップ(!)対応で実質的に航続距離無限の「インフィニティパワーシステム」w

  • 単体でも10バンド、PCソフトのSonar経由ではさらに詳細なカスタマイズが可能なオーディオ

等々、やりすぎなほどに詰め込んだモデルです。

Arctis Nova シリーズ共通の魅力としては、高級オーディオブランドBang and Olufsenなどで知られる、デンマークを代表する名デザイナーのヤコブ・ワグナー氏が本体デザインを監修。側面のスピン仕上げのアルミパネルなど、B&Oのヘッドホンとは兄弟のように似ています。

デザインとしては、いかにもゲーミングヘッドセットですよと飛び出ている長いブームマイクは、本体に完全収納が可能になりました。

従来モデルも縮めて本体に引き込むことはできましたが、マイクの先がつまみ出せるよう飛び出ていたのに対して、Arctis Novaはマイクの先端の形状を工夫することでヘッドセットの曲面に沿ってきれいに収まるようになっています。

モバイル向けの製品ではなく、ガッチガチの実用ゲーミングヘッドセットではありますが、ファッションアイテムとしてのデカいヘッドホンという文脈であればライフスタイル製品にも見えなくはありません。

Xがつかない Arctis Pro Wireless 自体は発表済みで、すでに販売もされていますが、「X型番」のXbox対応モデルはこれまで国内向けには流通しておらず、海外の公式オンラインストアから発送してもらう等の手間や費用がかかっていました。

冬の時代を経験しているXboxゲーマーであるほど「まあXboxだからね……」と虚無の笑いを浮かべていたところですが、なんと『Arctis Nova Pro Wireless X』では国内向け販売を用意します。

SteelSeries によると、X型番製品の国内販売はこれが初めて。

歴代Xboxは日本市場の攻略に苦戦し、特に前世代は世界的にも冬の時代だったため、Xboxモデルが国内で手に入らなくても少数派だから仕方ない、とXboxゲーマーであるほど物わかりが良くなってしまう状態が長く続きました。

しかしプラットフォーム間の差異が縮まり、かつての勝者総取り効果が薄れ、モバイルからPCまでクロスプラットフォームの本格的ゲームすら珍しくない現在では、「多数派かどうか?」を気にするならむしろ高性能ゲーム専用機自体が少数派で、好きな人が敢えて選ぶものになりました。

分かって選ぶとすれば、特定地域で自分以外の何人が持っているかよりも、プラットフォーマーが傘下に抱える開発スタジオのソフトの魅力や、サブスクなどサービスの魅力、ハードウェアの使い勝手等々で各人が好きなものを買うことになり、Xbox Series X|Sも選択肢のひとつとして普通に選ばれるものになっています。隔世の感とはこういうものでしょうか。

やや脱線しましたが、SteelSeriesによれば今回のXboxモデル国内販売は単に「求める声が多かった」ため。Xboxが普通の選択肢として売れる時代を反映した対応で、今後は「奇跡の」でも「まさかの」でもなくなりそうです。

Xbox対応はX型番のみ

肝心の「X」型番は何が違うか?について。簡単にいえば、販売中の『Arctis Nova Pro Wireless』(Xがつかないほう)はXboxとの接続に対応しません。というより、Xboxの側が一般的なUSBオーディオ出力に対応しません

もともと『Arctis Pro Wireless』はPCやNintendo Switch、PS5などUSBオーディオ対応機器から有線でベースステーションに接続し、そこから無線でヘッドセットに接続する方式の製品です。

しかしXboxはUSBオーディオ出力に何故か対応しないために、従来モデルの『Arctis Nova Pro Wireless』を接続しても聴こえない状態でした。

逆にXはXboxとしか接続できないわけではなく、PCやNintendo Switch、PS5など通常のUSBオーディオ対応機器も接続して二系統から切り替えて使うことは可能です。

つまり『Arctis Nova Pro Wireless X』は、Xboxにも接続できるという利点でXなしのモデルよりも互換性に優れたスーパーセット。とはいえ、Xboxを金輪際使わないのであれば特に関係はありません。

『Arctis Nova Pro Wireless X』は5万6070円で11月18日にAmazon.co.jp限定発売。

Xbox Series Xが(いまのところ)5万4978円なので「本体より高いww」状態ではありますが、たとえば北欧の高級オーディオメーカー Bang and Olufsenが手掛けたXbox対応ゲーミングヘッドセット Beoplay Portalは5万9900円。

単に高級なオーディオ機器は高価という話でもあり、また『Arctis Nova Pro Wireless X』の場合は複数機種+Bluetooth対応やアクティブノイズキャンセル等々の機能分でもあります。

蛇足ながら付け加えれば、世界的な経済情勢からマイクロソフトは今後のゲーム機本体値上げを否定しておらず、「このホリデーシーズンには」値上げすることはないとだけ公言しています。

グローバルでも値上げ路線であれば、現状でも為替レート的に割安の日本国内向けにはどうなるか分からず、「本体より高い」は本体値上げであっさり逆転される可能性もあります。




《Ittousai》
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