人気ゲーム『Grand Theft Auto(GTA)』シリーズのクリエイター、サムおよびダン・ハウザー兄弟が、『GTA III』が大ヒットしていた2001年当時にハリウッドからゲームを映画化する話を持ちかけられていたと、当時を知る関係者が語っています。
BBCのポッドキャスト番組『Bugzy Malone's Grandest Game』にゲストとして登場したゲーム業界のベテラン、カーク・ユーイングは『GTA III』が大ヒットしていた当時、ハウザー兄弟と映画とのタイアップについて交渉をしていたと述べました。
ある夜、ユーイングはサム・ハウザーの宿泊先のホテルに押しかけて、夜更けまで映画を製作する可能性について議論していました。「そのときはまだ、サムの頭のなかに(映画化を)やりたいという気持ちもあったと思う」とユーイングは語っています。そして明け方の4時に、LAにいるプロデューサーからオファーの電話が来たのだとか。
ユーイングは、当時3作目のアルバムを大ヒットさせて波に乗っていた若手白人ラッパーのエミネムを主演に起用し、『トップガン』で知られるトニー・スコット監督がメガホンを取る『GTA』映画を500万ドルで製作するというオファーをサム・ハウザーに伝えました。ところが、その返答は「興味がない」というものでした。結局、その場でオファーは断られたのだそう。それ以来、ユーイングは兄弟と映画化の話はしなくなったと述べています。
『GTA』は映画にはならなかったものの、『GTA III』以降のシリーズ作品にはハリウッドの一流俳優がボイスキャストとして参加するようになり、他に類を見ないほどの大ヒットシリーズに成長します。ナンバリングタイトルとして最新作の『GTA V』は、もう発売から9年になるものの、いまだにプレイされ続ける怪物作品になり、2018年には、最も収益性の高いエンターテインメント製品とも言われるようになりました。ユーイングは「彼らは、自分たちが持っているフランチャイズが、当時製作が進行していたどの映画よりも大きなものだと気づいたのだろう」とオファーを断った兄弟の考えについて述べています。
なお、映画の主演に名前が挙がっていたエミネムは、後にリリースされた『GTA Online』の拡張パックに含まれるDr.Dreの楽曲にゲスト参加する格好で、間接的にではあるものの『GTA』シリーズに関わりました。
現在、Rockstarは次回作『GTA VI』の開発を進めており、いくつかのメディアは2025年にリリースされると予測を伝えています。