Twitter がビジネス向けの有料プラン Twitter Blue for Business を発表しました。
企業やブランドの公式を示す金色の認証マークと四角いアイコンに加えて、所属メンバーや関連アカウントも認証できること、名前の横のアイコンで関係を示せることが特徴です。
Twitter Blue for Business に加入する企業やブランド等に所属するアカウントは、通常の認証マークの横に所属を示す小さな四角いアイコンが並びます。
メインのビジネスアカウントと所属アカウントの関係は、たとえば企業の公式とサポートアカウント、経営者や社員、メディアとジャーナリスト、スポーツチームと選手、あるいは映画公式とキャラクターなど。
企業と従業員に限らず様々な関係性で利用できるため、広くグループとメンバーをまとめて認証して所属関係を示せます。
個人向けTwitter Blue との違い・導入の理由
「ビジネス」がつかない個人向け Twitter Blue は、現在米国など一部の地域で提供中の有料プラン。月に8ドルまたは11ドル / 1800円 (App Store課金の場合)を支払うことで、従来は著名人などの公式アカウントにだけ与えられていた青い認証マークを誰でも付けられることが特典の目玉です。
Twitter社はイーロン・マスク体制の前から収益化に苦しんでいたうえに、買収後はさらに大きな負債が発生したために、認証マークを特典にした新Twitter Blue有料プランは従来の広告収入に替わる収入源として、「あなたもセレブや政治家と同じ青いチェックマークが付けられます」「民衆に力を!」の掛け声で導入された仕組みでした。
しかし11月に現在のTwitter Blueが一般開放された際には、企業や著名人を騙った「認証マークつき」の成りすましアカウントが激増し、Twitterはわずか2日程度で申し込みを停止しています。
新たな収益源を求めたはずが、「セレブや政治家と同じ」マークを本人認証無しで配ってしまったため、収益の9割程度を依存する広告主が一斉に離反してしまい、さらに苦しい状況になってしまいました。
その後、個人向けのTwitter Blue は受付再開にあたって電話番号の登録を必須とするなど対策を講じたほか、企業アカウントを区別しやすくするため四角いアイコンと金色の認証バッジを導入しました。
そして今回あらたに発表した Twitter Blue for Business は、依然として広告ビジネスが主であるTwitterにとって深刻な問題である「企業アカウントの成りすまし」を防止しつつ、所属メンバーも追加可能にすることでTwitter Blue 加入者を増やし、サブスクリプション収益を向上する狙いがあります。
2023年から本格導入・価格や審査プロセスは順次アップデート
Twitter Blue for Business は現在パイロットプログラムとして、一部の企業から導入中。2023年には提供する地域や対象を拡大する予定です。
価格や認証のプロセス等はいまのところ公開していませんが、パイロットプログラムを通じて順次アップデートしてゆく予定。
法人向け有料プランなので、一般論としては時価・応相談・営業担当者がご要望を承りますの形式になると思われますが、規模や追加メンバーの人数等によっては分かりやすいプランが提供される可能性もあります。
訂正・追記: Twitter Blue for Business パイロットプログラムに参加していなくても、金色の認証バッジがあるビジネスアカウントの場合には四角いアイコンに切り替わっているようです。
Twitterの新しい方針では、シンプルに「認証済み企業は金色バッジ、政府関係は灰色バッジ、個人は青バッジ」になるはずですが、従来はどれも同じ青バッジだったため、まだ金バッジに切り替わっていない、アイコンも丸のままの企業アカウントが残っています。
現状で金バッジと四角いアイコンに切り替わっているのは、Twitter Blueで成りすましが多発した混乱期に「公式」のラベルがついていた一部のアカウント。
広告などを通じてTwitter側に公式ビジネスアカウントとして認識されている場合は金バッジ、それでない場合は企業やブランド公式でもまだ青バッジと丸アイコンの状態です。
Twitterは企業や個人からの従来の認証リクエスト受付を終了しており、今後は Twitter Blue または Blue for Business 有料プランへの加入アカウントのみに認証バッジを与える方針を示しています。
イーロン・マスクの発言では、従来の基準で認証済みになっていた企業や個人のアカウントからは数か月以内に認証バッジを剥奪し、有料プランへの切り替えを促す計画です。