「Twitter のCEOを辞めるべき?」と投票を募っていた実業家イーロン・マスク氏が、結果どおりCEO職を辞する意向を示しました。
ただし時期は「後任を引き受けるほどの愚か者が見つかりしだい」。退任後はTwitter のソフトウェア&サーバチームを率いる「だけ」になると述べています。
マスク氏がみずからの進退を問うTwitter投票を実施したのは、「Facebook、Instagram、マストドンなど競合SNSへのリンク禁止、ユーザー名を告げることも禁止」という極端なルールを施行したものの反発を受け数時間で撤回した直後。
この「競合ソーシャルプラットフォーム言及禁止令」について、マスク氏は自分が間違っていた、申し訳ない、今後の重要な方針変更についてはTwitterにかけると述べたすぐ後でした。
買収からわずか一か月半あまりのあいだ次々と豪腕を振るったマスク氏がCEOを辞するのはよほどの決断のようにも思えますが、一般的な雇われCEOと違うのは、マスク氏はTwitter のオーナーであり株式も公開していないこと。
失策が続き株価が下落して株主から不信任を突きつけられたり、経営陣のなかで対立陣営に敗れるといった場合の辞任とは異なり、肩書としてCEOを降りたのちも、Twitter の経営全般や後任の一挙手一投足に目を光らせ場合によっては否定できる立場であることは変わりません。
(株主の意向という意味でいえば、マスク氏がTwitterで世間を騒がせるたび余計なことをするなこっちの資産が目減りすると批判的なテスラの株主からは相当の圧があると思われますが。)
マスク氏はこの投票結果の以前から、一定期間CEOを務めたのちは後任に譲る意向を示しており、実際に投票の前から後任探しを続けているとの報道もありました。
誰が新CEOに就任するにしろ、オーナーであるマスク氏を納得させず別路線を進むことができる立場ではありません。