Twitterのイーロン・マスクCEOは、フォローしていないユーザーのツイートも順不同で並ぶ「おすすめ」タイムラインに、外国語のツイートも挿入する方針を明らかにしました。
Twitter の「おすすめ / For You / ホーム」は、フォロー / フォロワーが「いいね」したツイートや、コメント数の多いスレッドなど、関心があるとアルゴリズムで判断したツイートを独自の順番で並べるタイムライン。
現在はユーザーが使う言語や選んだ地域のツイートが含まれますが、今後数か月以内にも、外国で話題になったツイートを自動で翻訳してタイムラインに挿入する計画です。
……この「おすすめ」タイムラインは、実際のユーザー全体の意見を反映しているかは別として、「フォローしていない知らんやつのツイートを勝手に混ぜるな」「最新順でなく前後をぐちゃぐちゃに入れ替えるのをやめろ」など、ツイッターの害悪筆頭のように嫌う声が多い仕様でもあります。
今回の計画も頼むから勘弁してくれという否定的な声は一定数ありそうですが、マスク氏は続くツイートで「外国には最高のツイートが毎日ある (特に日本)」と、海外のユーザーに対して日本を例に挙げてこの機能の有用性を説いています。
また別のツイートでは、ほかのユーザーの「日本はツイッターにとって米国に続き二番目の市場」とのコメントに対して、「ツイッターに費やす時間では日本が世界一」と指摘しました。
「おすすめ」が嫌いなユーザーでも、マスク氏が日本(語のツイート)を最高と褒めてくれた！日本は(ツイッターしてる時間が)ナンバーワンと言った！と我がことのように喜んで歓迎できれば慰めになるかもしれません。
ユーザー数は世界一ではないのに費やす時間が世界一なのが良いことか悪いことかはそれぞれの価値観なのでさておき、アルゴリズムによるタイムラインについては、見たい時に見るだけなら別に良い、「フォローしているユーザーのツイートとリツイートだけ最新順」のシンプルなタイムラインに切り替えられれば良いという考え方もあります。
しかし問題は、ツイッターが隙あらば「おすすめ」を使わせようとしてくること。デフォルトで表示されるのはもちろん、以前は「ホーム」といういかにも標準のような名前にしたり、星アイコンでの切り替えという分かりにくいUIにしたり、最新順にしても一定時間で戻ってしまう仕様だったり、ごく最近ではリロードするごとに「おすすめ」に戻ってしまう、バグなのか仕様なのか分からない挙動も不評です。
この点についてはマスク氏も、ツイッター側にとっては使わせたい「おすすめ」を翻訳ツイート挿入などでさらに発展させつつ、「おすすめ / For You」 も「最新ツイート / Following」もユーザーが設定したリストも左右スワイプで簡単に切り替えられる新しいインターフェースを導入することでバランスを取ろうとししています。
そもそもタイムラインを変なふうにいじるのがおかしい、ユーザーが嫌がっているのが分からないはずがないのにという意見もありますが、営利企業であるツイッターにとってはできるだけ多くの人に長い時間サービスを利用させ、多くのツイートに反応させることが至上の目的。サービスの影響力も、広告収益やサブスク収益もまずは使わせることが前提です。
「ユーザーが」嫌がっているのに、に対しては、シンプルに「おすすめ」タイムラインのほうがツイートに対する反応が多い(エンゲージメント率が高い)ため、反対の声がユーザー代表のように見えても、声を上げない人、気にせず使う人を含めた全体では「おすすめ」を推したほうがサービスの利用が増え、Twitterにとって利益になり、社内での評価になるという構造があります。
「おすすめ」を嫌がるユーザーとの棲み分けについては、左右スワイプで最新順やリストと簡単に切り替えられるインターフェースにしたうえで、前回見ていたリストと位置を覚える仕様になる見込みです。
タイムラインをユーザーの好みでカスタマイズできるサードパーティ製クライアントアプリは開発が禁止されてしまったため、今後は公式アプリが快適になることを祈るしかありません。
