独アウディが、昨年予告していたEVコンセプト「activesphere」を公開しました。基本はSUVスタイルのクルマながら、車体後部を開放してピックアップトラックとしても利用することが可能なのが特徴です。
SUVスタイルとは言いつつ、そのボディはスポーツカー然としたクーペスタイル。SUV的なのは34インチの巨大なタイヤのせいかもしれません。サイズ感は、全長はアウディのA7 Sportbackとほぼ同じ、全高と全幅はそれよりもひとまわり大きくなっています。左右のドアは中央から前後に開く観音開き方式を採用。サスペンションは車高を変化させられる仕組みを備え、最低地上高は8.2~9.8インチ(約20~25cm)の間で調整可能です。
このSUVスタイルのEVは、ラゲッジスペースの上面を覆うリアガラスがスライドして開口し、さらにドア部分を後方に倒すように開くことで、トラックの荷台部分を形成します。アウトドアレジャーに出かけるだけならSUVスタイルでも事足りますが、トラックスタイルに変形させることで、自転車などを積み込むことができ、出先でのアクティビティの幅を拡げることが可能です。
車内空間は、コンセプト感盛り盛りの拡張現実(AR)な仕掛けで満たされ、4人分の独立したシート、フルレングスのセンターコンソール、ルーフの追加コンソールを備え、複合現実感システム用のARグラス4個が完備されています。
自動運転モードでは、ダッシュボード、ステアリングホイール、ペダル類が見えない収納位置に隠れ、搭乗者はARグラスを装着して、ドライバーに必要な数値情報を確認したり、インフォテインメントおよびバーチャルアシスタント関係の操作が可能です。なお、ドライバーは自分でクルマを運転したい場合は格納されていたステアリングやメーターパネルを引き出して、従来のように運転することも可能です。
なお、あくまでコンセプトカーであるため、自動車としての具体的なスペックその他は示されていません。それでも将来量産車に引き継がれそうな要素としては、このEVがポルシェと共同開発したPPE(Premium Platform Electric)アーキテクチャをベースに設計している点が挙げられます。これにより航続距離は約600km、800V充電システムを使った270kW急速充電により、100kWhのバッテリーパックを5%の状態から80%まで25分で充電できるとアウディは説明しています。