第2世代のフルサイズ版HomePodが登場した余韻もさめやらぬなか、アップルが2024年後半からオーバーイヤーヘッドホンAirPods Maxの後継モデルなど、オーディオ製品を続々と投入する可能性が浮上しています。
アップルのサプライチェーン情報に詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、同社が2024年後半~2025年前半にかけて音響製品の新モデルを発売すると予測。その顔ぶれは「HomePod mini 2」、「AirPods Max 2」およびAirPodsの廉価版だと述べています。
最上級モデルAirPods Maxは2020年末に発売されて以来、2年以上も新型モデルは登場していません。アップル社内に情報源を持つBloombergのMark Gurman記者も、同製品をAirPodsシリーズのうち「最も古い」としつつ2023年内には新型が出ないと言い、裏返せば2024年には何か動きがあると仄めかしていました。
2024年内にAirPods Maxに何かあるのは、政治的にも確実だと見られています。なぜなら、EUが2024年秋以降、スマートフォンやノートPCや特定アクセサリー類の新製品につき、充電機構にUSB-C採用を義務づけているため。
この法律は「新製品」のみに適用されるため、現行のLightning版AirPods Maxを販売し続けても特に問題はありません。が、2023年秋の「iPhone 15」以降はアクセサリー類もUSB-C対応に切り替えられるとの説が有力です。
もっとも、充電端子のみ変更するマイナーチェンジ版の可能性もあり。他の情報源もAirPods Max後継モデルの話は伝えているものの、特に新たな要素の話は聞こえてきません。
また低価格AirPodsは最近Kuo氏の持論でもあり、先日は99ドルを目指していると述べていました。ほかHaitong Intl Tech ResearchのアナリストJeff Pu氏も「AirPods Lite」が準備中だと予想。Pu氏はAirPodsの出荷台数が2022年の7300万台から2023年には6300万台に落ち込むとして、それを補うためという生々しいシナリオを描いていました。
残る1つのHomePod mini後継モデルは、先の2つよりは信ぴょう性が落ちるかもしれません。
上述のGurman氏は、アップルが「積極的に取り組んでない」との見解です。なぜなら、第2世代HomePodはminiにない大きな新機能がないため、miniを強化する理由もないとの趣旨を述べていました。
ちなみに第2世代HomePodでアピールされた温度計と湿度センサーは、miniでもハードウェア的には以前から搭載していた隠し機能で、ソフトウェア更新により有効化しています。
もっとも、HomePod mini(2020年11月発売)も2024年末には4年目となります。アップルが2023年初めの時点で「積極的ではない」としても、1年も経てば社内での風向きが変わっている可能性もあります。