世界最大の民間航空機、アントノフAn-225ムリーヤが、『Microsoft Flight Simulator』のアドオンとしてリリースされました。価格は19.99ドル。
今回のアドオンプロジェクトは、マイクロソフトのFlight Simulatorチーム、アントノフ社のプロジェクトチーム、ウクライナ・デジタル変革省の支援、さらに航空機の挙動を知るメーカーやパイロット、エンジニアが協力して実現したとのこと。
An-225のチーフパイロットで、Flight Simulatorに再現されたこの巨大航空機のテスト飛行も数回にわたって担当したドミトリー・アントノフ氏はリリースに際し「Microsoft Flight Simulatorの、世界最大の輸送機 An-225 ムリーヤにあなたをお迎えできることをうれしく思います!この輝かしい巨人の回復を助けてくださったすべての方々に、心から感謝します。 比類なき強力な鳥が生き生きと動き、大空を美しく、軽く、優雅に飛ぶのを感じたときの、美しく特別な飛行感覚をお楽しみください」とコメントしています。
ちなみに、実際のAn-225は、2機が製造される予定でしたが、アントノフ社が完成させたのは1機のみ。その唯一の機体は1988年12月21日に初飛行し、世界で最も重い航空機として記録されました。さらに、続く1989年3月22日の飛行では、An-225は一度に110ものさまざまな世界記録を塗り替えたとされています。
しかし残念なことに、2022年2月にはロシアのウクライナ侵攻に伴いアントノフ国際空港が戦場と化し、An-225はロシア軍の攻撃を受けて使用不能になってしまいました。現在、この破壊された機体と、途中まで建造されていた2号機の一部を流用しての再建計画が進められています。
マイクロソフトと英国のソフトウェア会社iniBuildsが共同開発したこのアドオンの販売収益は、全額がアントノフ社に寄付され、再建計画のために活用される予定です。
なお、アドオンはAn-225の機体と、7種類のリバリーが用意されています。記事執筆時点ではPC版のみが購入可能ですが、Xbox Series X|S と Xbox Cloud Gaming向けも、3月末にリリース予定です。