Google が生成AI (ジェネレーティブAI)を Gmail やドキュメント・スライド・スプレッドシートなど Workspaceアプリ全般に組み込むことを発表しました。
ジェネレーティブAIでできることの例は、
Gmail の下書き、返信、要約、優先順位づけ
ドキュメントでのブレインストーミング、校正、執筆、書き直し
スライドで自動生成された画像、オーディオ、ビデオを使って、クリエイティブなビジョンを作成する
スプレッドシートの自動補完、数式生成、文脈に応じた分類により、元データから洞察や分析につなげる
Meet で新しい背景を生成し、会議のメモを作成する
Chat で物事を進めるためのワークフローを実現する
Google WorkspaceのジェネレーティブAIはテストユーザーに先行して順次提供し、そのあと一般提供を開始する予定。
Googleが公開した動画では、あくまで演出ではあるものの、腰を抜かすような半自動化「ワークフロー」が披露されています。そちらの流れは、
長いメールのスレッドを、いちいち読まずAIに自動要約させて把握
ひとこと「やります」(I'm on it.)と書いて、返信の文面を自動生成
メールでの会話から、概要をまとめたドキュメントを生成。体裁も自動で整え、範囲選択して「もっと風変わりに」などの指示で自動書き換え
AIがまとめた文書からプレゼンテーションを自動生成。画像も「魔法の箱庭」といった単語で自動生成して選択
Meetの動画会議に際して「ノートを取って」と指示して、アジェンダや次のステップなど構造化してまとめた議事録を生成
スプレッドシートの顧客リストに対して、「パーソナライズしたメッセージを生成」で大量のクライアントごとにキャンペーンの紹介メッセージを個別に生成。文面はクライアント担当者の名前を呼んで挨拶から。
チームへの感謝メッセージのドラフトを自動生成。ランダムでバリエーションを生成して選ぶなどカスタマイズ
それぞれの段階はもちろん全自動ではなく、人間どうしの会話からまとめを作り、まとめにフォーマットを付与して…といった流れではあるものの、このプロモーション動画の編集では恐ろしいほどにワークフローが円滑化されるように見えます。
人間の介入は、文章の下書きならまずテーマやトピックを入力、部分を選んでフォーマルに、もっと簡潔になど指示をして、提案された文面を選ぶといった操作。
Googleは「AI は、人間の創意工夫や創造性、賢さに取って代わるものではない」「間違った判断を下すこともあれば、風変わりなことでユーザーを喜ばせることもあります。そして多くの場合、AI にはガイダンスが必要です」として、あくまでユーザーが制御する範囲内で提案し、ユーザー自身が受け入れて編集することを強調しています。
そうは言っても全く自分で確認せずに提案を受け入れて自動筆記のように「仕事」して大惨事を招く人間も現れそうですが、GoogleはWorkspaceの管理者がAIについてもポリシーを設定する機能を提供予定です。