先週末、米ワシントン州のショッピングモール「Alderwood Mall」にあるApple Storeに泥棒が侵入し、合計436台、約50万ドル(約6600万円)相当のiPhoneを盗み出しました。
海外ではApple Storeが被害に遭うことは稀ではなく、最近も営業中の店舗が3人組に襲撃されたこともありました。が、今回はその手口が隣り合うコーヒーショップに侵入し、トイレの壁に穴を開けてバックルームに入り込んだ手口が注目を集めています。
地元メディアのKing 5 Newsによれば、窃盗団は地元チェーン店のSeattle Coffee Gearを経由し、Apple Storeのセキュリティシステムを回避しました。被害が数十万ドルにも及んだのは、通報されたり警備員や警察に阻まれることもなかったからでしょう。
コーヒーショップのマネージャーによると、同店舗は外からはApple Storeに隣り合っていることが分かりにくい立地。とはいえ、スマートフォンさえあれば(Webサイト等で)モール内でショップとApple Storeが壁1つ隔てたお隣であることは分かるため、窃盗団は抜かりなくチェックしていた模様です。
このコーヒーチェーンのCEOは、現場の写真をTwitter上で公開しています。壁に開けられた穴は大人1人が入れるかどうかの小ささですが、配管にも当たらないよう細心の注意が払われていたとのこと。窃盗団も、相当な時間を掛けて練りに練った計画だと思われます。
コーヒーショップ側で盗まれたものはなく、被害は鍵の交換とバスルームの穴を塞ぐ修理代の約1500ドルに収まったとのこと。店舗のマネージャーは、窃盗団が忍び込んだとき、自分の店やApple Storeに従業員がいなかったことが(人的被害がなくて)幸いだったと述べています。
Apple Storeには厳重なセキュリティシステムが配備されており、それが機能していれば泥棒が400台以上ものiPhoneを持ち出す余裕はなかったはず。まるで漫画の大泥棒のような手口ですが、アップル側もいっそうの対策を迫られることになりそうです。