GoogleのChrome開発チームは、WebブラウザでGPUプログラミングを可能にするWeb標準「WebGPU」が、4月26日にリリース予定のChrome 113で正式な機能として提供されることを明らかにしました。
現在、Webブラウザ上でJavaScriptを用いた2次元や3次元の高速なグラフィックスの描画を行うWeb標準として「WebGL」が広く使われています。
このWebGLの後継として、WindowsのDirect3D 12やmacOSのMetal、クロスプラットフォームのVulkanのような、ローカルマシンに搭載されているGPUの能力を最大限に発揮できるよう策定された新しい標準が「WebGPU」です。
オーバーヘッドが小さく低レイヤで操作できることで、高速なグラフィックスレンダリングや機械学習処理などが可能になります。
すでにJavaScriptで2Dや3Dグラフィックスを高速に扱えるライブラリ「Babylon.js」では、2022年5月にリリースした「Babylon.js 5.0」でWebGPUフル対応を発表しています。
参考:マイクロソフト、Webブラウザで3Dゲームがびゅんびゅん動く「Babylon.js 5.0」正式リリース、WebGPUにフル対応、iOS/Androidなどクロスプラットフォーム展開も
PlayCanvas、Three.jsもWebGPU対応を明らかにしています。
機械学習ライブラリではTensorFlow.jsがWebGPUへの最適化を明らかにしています。
WebGPU対応はWindows版、macOS版、ChromeOS版ののChrome 113で正式版となり、それ以外のプラットフォームではこれ以後のバージョンで提供される予定。
また現在、FirefoxとSafariでもWebGPUの実装が進んでいます。それぞれフラグ切り替えなどによって利用可能な段階に入っているため。そう遠くない時期に正式な機能となるのではないでしょうか。
この記事は新野淳一氏が運営するメディア「Publickey」が2023年4月10日に掲載した『Webブラウザ上でGPUプログラミングを可能にする「WebGPU」、Chrome 113で正式版に。3Dレンダリングや機械学習など高速処理』を、テクノエッジ編集部にて編集し、転載したものです。
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