Twitterには特定のフォロワーに限定して非公開で会話を楽しめる「Twitterサークル」機能がありますが、このサークル内に非公開で投稿されたはずのツイートが、サークル外のフォロワーの「おすすめ」タイムラインに表示されるというバグの報告が相次いでいます。
Twitterは、2022年5月より特定のフォロワーとだけ会話できる「Twitterサークル」機能を提供しています。この機能を使えば、サークルに含まれないユーザーには見えない状態で特定の人々と会話ができ、たとえばプライベートな内容や公の場で持ち出しにくい要件を話したり、特定の趣味や話題をもつフォロワーだけを集めての限定的なディスカッションが可能になります。
ところが最近、このサークルに含まれていないユーザーの「おすすめ」のタイムラインに、不思議なツイートが現れたと報告しています。この問題に遭遇したTechCrunchは、そのツイートは、投稿主が公開アカウントであるにもかかわらずリツイートボタンが無効になっており、そのツイートをクリックすると突然表示が消えるという謎の挙動を示したと報告しました。
ほかにも、まったくフォローもなにもしていないユーザーからの知らないサークルへの投稿がなぜか「おすすめ」タイムラインに表示されたとの報告もある模様。これが本当なら、Twitterサークルの閉じた輪のなかに投じられたはずの、デリケートな話題やプライベートなコンテンツなどがTwitter全体にバラ撒かれている可能性があることになります。
情報セキュリティ エンジニアの Ian Coldwater氏は、自分1人だけのTwitterサークルを作成し、そこへの投稿が他のユーザーに見えるかどうかを実験してみました。すると、Coldwater氏がフォローしていない2人のユーザー(1人はColdwater氏のフォロワー、もう1人はまったく無関係のユーザー)が、このサークル内ツイートを閲覧でき、そのツイートにいいねを付けることができたと報告しています。
TechCrunchは、元Twitchの技術者Theo Browne氏も、Coldwater氏と同様の現象を確認しており、Twitterのシステムがサークル内へのツイートを他のユーザーへ「おすすめ」しないようにする処理が失敗している可能性を指摘したと伝えています。
Twitterでは大幅な人員削減やCEOの指示によるイレギュラーな仕様変更などが相次ぎ、ここ最近不具合の発生が多くなっています。また、不具合だと思われた挙動が実は意図的な変更であることもたびたびあり、たとえば無料で提供されてきたAPIのアクセスを突然遮断したり、競合するサービスへのリンクを無効化したりといったことが、ユーザーやパートナー企業への予告なしに実行されています。
そして先週には、有料ニュースレターサービスのSubstackへのリンクをTwitterが遮断しました。これに対し、以前にTwitter Filesの作成にかかわったことがあるMatt Taibbi氏が、このリンク遮断はSubstackがベータ版として提供し始めた、Twitterによく似たUIを持つNotes機能に対する措置だと指摘しました。すると、Twitterの現在のCEOであるイーロン・マスク氏は、Taibbi氏がSubstackに雇われており、Twitterのユーザーデータベースを盗もうとしているなどと主張、SubstackのChris Best CEOを立腹させています。