マイクロソフト、Steam Deck系携帯ゲームPC向けWindows 「ハンドヘルドモード」を社内で試作

ゲーム Microsoft
Kiyoshi Tane

Kiyoshi Tane

フリーライター

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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最近はコントローラを一体化した WindowsゲーミングUMPC(超小型パソコン)を各社が投入していますが、Windowsは Steam Deck や Nintendo Switch のようなハンドヘルド機器向けのインターフェースを標準では搭載していないため、手持ちでも使いやすいランチャーアプリやUIは各社がそれぞれに工夫している状態です。

Steam Deckはゲーム向けにカスタマイズした「SteamOS」を搭載し、タッチ操作やコントローラー操作に割り切ったユーザーインターフェースを採用しています。しかし Windowsはキーボードやマウスでの操作を前提としており、一応はタッチ操作も可能ながらも、ボタンやメニューがタップしやすいとは言えません。

そこでマイクロソフトは、Steam DeckのようなモバイルPCのためのWindowsハンドヘルドモードを社内で模索していることが明らかとなりました。

リーカーのWalkingCat(@_h0x0d_)氏は、2022年9月にマイクロソフト社内で開催されたハッカソンでの「ハンドヘルドモード」のプレゼンテーション動画をTwitterで公開しています。

この動画では、実際にマイクロソフトの上級UXデザイナーであるDorothy Fengが開発したプロトタイプがデモされています。ドライバのインストールやセットアップを簡単にした初回セットアップ、7インチの画面でも見やすいUI、ジョイスティックとボタンで快適に操作できるタッチスクリーンキーボード、SteamやPCゲームパス、EA Playなどのゲームを起動できるランチャーなどが確認できます。

またWindows向けのゲーム体験を手がけるシニアソフトウェアエンジニア、Hayden Mcafee氏による試作ゲーミングシェルも紹介されています。

この動画の時点ではWindowsの正式な新機能として開発しているわけではなく、あくまで社内のハッカソン向けに作られたプロトタイプの位置づけ。しかしこうしたハッカソンはマイクロソフト社内で定期的に行われており、そこで発表されたアイディアやプロジェクトは、時には幹部から支持されて製品化に至ることもあります。

この動画の最後でも、マイクロソフトのPCゲームコミュニティでのイメージと信頼をアップさせるため、社内に「Windowsでハンドヘルドゲームに真剣に取り組もう」と呼びかけています。

このプロジェクトが実現するかどうかは未知数ですが、マイクロソフトはSteam DeckでXbox Cloud Gamingをいち早くサポートしたこともあり、こちらも可能性はゼロではないはず。

今のところGPDやONE XPLAYER、Ayaneoなどの携帯ゲーミングPCは、自前でゲーム向けのインターフェースやランチャーを用意しています。つい先日、大手のASUSがSteam Deck対抗の「ROG Ally」を発表したこともあり、マイクロソフト公式のハンドヘルドモード実現に向けて弾みが付いたと期待したいところです。



《Kiyoshi Tane》
Kiyoshi Tane

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著書に『宇宙世紀の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)、『ゲーム制作 現場の新戦略 企画と運営のノウハウ』(MdN)など。

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