スマホをナビに使って捕まる前に 外付けCarPlayキットを取り付けて法遵守・快適ドライビング(村上タクタ)

テクノロジー Mobility
村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

特集

「カーナビはスマホで十分だよ!」という人が増えてきている。

しかし、運転中のスマホ使用は違反だし、昨今運転中のスマホ使用による事故が増えてきているので、取り締まりが強化されている。

「マップを見ていたんだよ!」と言っても、スマホを操作していると違反に問われやすいし、そもそもスマホを操作しているとメールやメッセージの通知に対応してしまいがちではある。

そこで、お勧めしたいのがCarPlay(Androidの場合は、Android Autoという同様の仕組みがある)。iPhoneを連携させて、小型ディスプレイをカーナビのように使う仕組みだ。

スマホをナビに使って捕まる前に

CarPlayはとても便利なのだが、日本のクルマにはまだまだ専用のカーナビが搭載されているケースも多い。これは、カーナビメーカーが自動車メーカーの関連会社であり、新車購入時のオプションとして割引価格でカーナビが提供されることも多いからだ。

しかし、中古車としてクルマを入手すると、搭載されている地図情報が古かったりと不便なことが多い。それゆえ、スマホをカーナビに使っている人が多いと思うのだが、前述のようにスマホをカーナビとして操作していると、交通違反になる可能性もある。

ちなみに、運転中のスマホ利用で事故を起こす人が増えているので、2019年12月1日から、『携帯電話の使用等(保持)』の反則金は1万8000円、点数は3点に増えている。3点といえば、2回で免停だから、かなり重い違反だと考えていい。

もちろん、カーナビだって運転中に注視したら違反だから同じことだが、スマホを手に持って操作してたりすると違反に問われやすい。

iPhoneから運転中に必要な機能のみを抽出したCarPlay

そこで、お勧めなのがCarPlayだ。

外部ディスプレイに運転に必要なiPhoneアプリだけを表示するCarPlayという仕組みは、2013年のiOS 7の時代に導入されている。以降改善が続けられ、運転しながら操作しやすいように、シンプルな専用のインタフェースが提供されている。モニター側の仕様によって、有線接続、もしくはBluetoothでの接続が可能だ。

表示されるのは、純正のマップ、ミュージックだけではなく、GoogleやYahoo!のマップも表示可能。また、PodcastやSpotify、Amazonミュージック、オーディオブックなども使える。

接続しているデバイスのオーディオ機能(マイクなど)による部分もあるが、電話やLINE通話も可能。

メッセージは、アップルの『メッセージ』であれば、音声読み上げ、音声返信が可能だし、Siriを使って、検索や、ナビ操作も可能。

つまり、iPhoneから運転しながら使える機能だけを抽出したような仕組みになっている。

取付は非常に簡単(リアビューカメラを使わなければ)

USなどでは普及しているのだが、日本ではイマイチなのが、前述のように新車購入時にメーカー推奨のナビが搭載されていることが多いから。また、純正のCarPlay対応ナビは高価なものが多いし、後付けのナビでは日本メーカーがCarPlayに対して積極的ではないという事情もある。

最近はレンタカーに装備されているので、レンタカーで体験したという人は多いかも。

筆者が使っているのは、Amazonで2万4000円(税込・4月27日現在)で売っているCoral Visionという会社のCarPlay用ディスプレイ(Andorid Autoでも使える)『RX7』。取付も簡単で、筆者は5分ほどで取り付けることができた。


ただし、5分で取り付けられたというのには注釈が必要だ。

音声の出力をクルマのAUXに接続しなければならないのだが、筆者のクルマはこの端子が取り出してあった。カーオーディオにAUX端子があれば簡単だが、場合によっては配線を探らねばならない。AUX端子があれば、ディスプレイを固定し、あとはシガーライターソケットに電源を差し込めばOKだ。

なお、ダッシュボード上のディスプレイの取付には2m先の所定の位置に置いた高さ1mの円柱が見えなければならないというレギュレーションがあるので、詳細は関連法規を参照していただきたい。要は運転者の視界を遮ってはならないということだ。

▲カメラ位置の都合上運転中の写真はカメラ位置が低くフロントウインドウにかかっているカットもあるが、運転者目線ではこのぐらいの位置でドライバーの視界は遮っていない

あと、本機にはリアビューカメラも付属しており、これを取り付ける場合には、内装をめくって配線しなければならないので、それなりの作業時間が必要。筆者のクルマには元々リアビューカメラが装備されているので、リアビューカメラは使わなかった。

というわけで、多少条件はあるが、2万4000円で購入できて5分で取り付けられるとあってはこれを使わない手はないだろう。

運転中に見やすい表示

Coral Vision RX7でCarPlayを使うようになってからしばらく経つが非常に快適。

筆者のクルマは古くてDVDナビしか搭載されていないので、ずっとiPhoneをナビ代わりに使ってきた。だから運転中の操作で違反にならないか不安だったのだが、CarPlayならその不安もほとんどない(厳密には、カーナビも注視したら違反に問われる可能性はある)。

なにより、画面が見やすいのがいい。

手に持つと違反になる危険があるので、iPhoneをダッシュボードにマウントしていたのだが、やはりそれでは表示が小さ過ぎたことがよく分かった。

CarPlayはカーナビとして適切なサイズで文字を表示してくれるので、非常に見やすい。また、操作系もカーナビらしいものになっているので、扱いやすい。

ディスプレイがiPhoneほど反応良くないこともあって文字入力はしにくいが、これはSiriを積極的に使うか、クルマを停めるか、助手席の人に依頼してiPhoneで入力すれば問題ない。

特に良いのが、ナビと音楽の両方を表示できる画面で、左右に2分割してナビと再生中の音楽の両方を表示してくれる。筆者は、高速道路や、ずっと同じ街道を走る場合にはこの表示にしておいて、目的地近くに着いてから全画面を地図表示にしている。

好きな音楽を聞きながら、道を確認できるのが最高だ。

ビンテージカーに乗る人にも勧めたい

本機はBluetooth接続なのだが、一度設定すると圏内に入ると自動的に接続されるのが便利。また、より横に大きなディスプレイを備えたRX10も用意されているので、価格よりディスプレイの大きさを選択したい人にはそちらがお勧め。

iPhoneやAndroidなど、スマホを直接ナビにしている人にはぜひお勧めしたい製品だ。筆者のようなナビの古い中古車を使っている人はもちろん、ビンテージカーなど、そもそもナビが付いていないようなクルマに乗っている人にもお勧めだ。

《村上タクタ》

村上タクタ

フリーランスライター。1969年京都府生まれ。バイク雑誌編集者に憧れて上京し経歴を開始。ラジコン飛行機雑誌、サンゴと熱帯魚の雑誌、デジモノの雑誌をそれぞれ7〜10年編集長として作る。趣味人の情熱を伝えるのがライフワーク。@takuta

特集

BECOME A MEMBER

『テクノエッジ アルファ』会員募集中

最新テック・ガジェット情報コミュニティ『テクノエッジ アルファ』を開設しました。会員専用Discrodサーバ参加権やイベント招待、会員限定コンテンツなど特典多数です。