Epic Gamesは、リアルな3D空間を手早く生成可能なゲームエンジンの最新版「Unreal Engine 5.2」をリリースしました。このバージョンは、Apple Siliconこと、M1およびM2プロセッサーをネイティブでサポートしています。
Epic Gamesといえば、特に人気ゲーム『フォートナイト』で知られていますが、Unreal EngineはEpicの自社製だけでなく、他社のゲーム製作にも多数使用されているほか、最近では、映画などのCGI映像の制作にも使用されるほど高い機能を備えています。
現行バージョンの「Unreal Engine 5」では、PS5およびXbox Series X|S向けに公開された『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』を見ればわかるように、実写と見紛うほどのリアルな映像でゲームがプレイ可能になっています。
ただし、これまでのバージョンはアップルのオリジナルチップであるApple Siliconをサポートしておらず、M1およびM2チップを搭載したMacを使う3Dクリエイターは、Rosetta 2を介したうえでしかUnreal Engineを使えませんでした。
最新版の「Unreal Engine 5.2」では、このApple Siliconがネイティブにサポートされるため、Epicは当該のMacシステムを使う環境でパフォーマンスと安定性が改善し、ユーザーエクスペリエンスが向上すると述べています。
そのほかの新機能としては、制作プロセスを簡略化するProcedural Content Generation(PCG)フレームワークや、複雑なオブジェクトのテクスチャをリアルタイム処理できるSubstrate機能の改善、機械学習アルゴリズムでキャラクターの筋肉や皮膚をモデル化するML Deformerといった新機能を含んでいます。
また、Epicはデスクトップ向けのICVFX Editorと連携し、iPad上で3D空間の色味や照明を調整できるアプリを近日公開することも併せて発表しています。このツールはLEDボリューム内でのカラー グレーディングやライト カードの配置、nDisplay 管理といったステージ操作をタブレットのタッチベースのインタフェースで操作できます。Epicは、このツールを使うことで「映画制作者はUnreal Engineの操作担当者の手を借りずとも、撮影現場で直接、手軽に独創的な調整を行うことができる」と説明しています。