テスラ、右ハンドル仕様のModel S / Xの生産を中止。日本市場向けも左ハンドルのみに

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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テスラは、右ハンドル仕様のModel S / Xの生産を終了し、今後は左ハンドル仕様に統一することを予約客などに対し明らかにしました。

テスラは今後、左側通行の国でも左ハンドル仕様しか販売しなくなります。もし、どうしても右ハンドル仕様が欲しいのであれば、早めに在庫を探し出すほかありません。

世界の道路事情としては、多くの国が右側通行を採用しており、左側通行は少数派です。左側通行を採用しているのは、多くが英国の旧植民地だった国ですが、日本のように、かつて国の近代化をはかる過程で英国の法律を参考にした結果、左側通行になった国もあります。

今回のテスラの決定は、現在のバージョンのModel Sが登場した3年前に左ハンドル仕様を予約したものの、いまも納車を待ち続けている人にも影響しています。Ars Technicaは、Model S / Xの右ハンドル仕様を予約したすべての顧客に対し、テスラはキャンセルを通知するメールを送り、すでに支払いを済ませている分については返金を申し出たと伝えています

また英国では、今回予約をキャンセルされた顧客には、Model 3 もしくはModel Xを購入する際に使える2000ポンド(約34万円)相当のクレジットが提供されると、英自動車メディアのAutocarが伝えました。テスラは広報部門を解散しており、公式に発表はしていませんが、Ars Technicaはニュージーランドでも、やはりキャンセル対象顧客には、Model 3 / Yの購入に使える3200ニュージーランド・ドル(約27万円)分のオファーがあったと報じています。テスラに投資しているソーヤー・メリット氏はテスラから顧客に送付されたメールのスクリーンショットをツイートしています。

Model SおよびXは(2021年のフェイスリフトはあったものの)市場投入からすでに長い年月が経過しているため、販売台数が減少気味です。テスラの発表では、2022年にはModel S / Xあわせて7万1777台を製造したものの、販売は6万6705台に留まっていました。さらに2023年第1四半期も1万9437 台を製造したものの、半数が在庫になっていると報告されています。

ちなみに、今回のキャンセルはModel S / Xのみで、現在のテスラの売上げを牽引するModel 3 / Yは含まれていません。英国など一部の国は、左ハンドル車の保険料率が右ハンドルに比べて高額に設定されているほか、オースオラリアでは法令上、左ハンドル車の公道走行が許可されていないなどの事情もあり、もし左ハンドルのみの生産にしてしまうと、販売数が大きく減少してしまう可能性があります。そう考えると、Model 3 / Yの右ハンドル仕様の生産終了は考えにくそうです。


《Munenori Taniguchi》
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