テスラが、株主対象のイベントで自社製のヒト型ロボット「Tesla Bot」の新しい動画を公開しました。
テスラCEOのイーロン・マスク氏いわく、この動画のTesla Botはイベントの前夜に組み上げられたばかりだとのこと。
しかし、ほぼエンドスケルトン状態だった昨年のTesla AI Dayイベント当時とは異なり、上半身は外装で覆われ、まるで量産モデルのようにスッキリした印象になっています。
またロボットは1体だけでなく集団で登場し、しかもスタンドやテザーの助けなしに歩行しています。テーブル上の入れ物の中にある野球ボールほどの物体をつかんで持ち上げ、別の入れ物へと移すごく単純な作業をこなす様子も見ることができます。
動画では、このロボットが技術的にどのような仕組みで動作しているのかを簡単に説明するパートもあり、モーターのトルク制御から、周囲環境の認識と記憶、人間の動きをキャプチャーしてのAIトレーニング、物体の取扱いといった、機能的なアップデートを説明しています。
2021年に初めて人前に姿を現したTesla Botは、ただの全身タイツのパントマイミストでしたが、ほんの2年ほどのあいだに、一般的なヒト型ロボットとしては一定のレベル到達しつつあるように見えます。
ただ、当初説明されたように、特定の作業ではなく、汎用ロボットとしてどんな用途にも使えるようにするのなら、特に歩行のしくみを見直し、Boston DynamicsのAtlasのような機敏な動作を体得する必要がありそうです。
テスラはサイバートラックの納車開始が今年第3四半期に控えているため、当面はそちらにリソースを集中することになるかもしれません。しかしそれが一段落したら、Tesla Botの開発や話題集めも加速しそうです。