サステナブルなarrows発売したばかりのFCNTが民事再生、スマホ事業終了。サポートも継続困難で停止

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Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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スマートフォン arrows シリーズや『らくらくスマートフォン』で知られるFCNTのグループ三社が5月30日に民事再生法の適用を申請しました。

FCNTの元の社名は富士通コネクテッドテクノロジーズ。arrowsなど富士通のスマホ事業を投資ファンドのポラリスが引き継いだ際、グループ会社のジャパン・イーエム・ソリューションズおよび持株会社REINOWAホールディングスとともに設立された企業です。

負債額はグループで計 約1431億円。グループ間の貸借を除くと1193億円。

倒産に至った背景については、FCNTによると「携帯端末市場の成熟化等によって売上が伸び悩む中、昨今の円安の進行、世界的な半導体不足等の影響によって原価・費用が急激に高騰し、REINOWAグループの収益・資金繰りは、急速に悪化する事態となりました」

arrowsはかつての国産スマホの雄として歴史のあるブランド。今年2月には、再生素材の採用や再生可能エネルギーによる製造など、環境への配慮と持続可能性を最大のアピールポイントとした新端末 arrows Nを発表したばかりでした。惹句は「誰よりも「これから」を想うあなたに。エシカルな選択を」。

FCNTによると、グループ内の一部のサービス事業等についてはスポンサーへの継承による事業の再生を目指す一方、スマートフォンなど携帯端末の製造・販売事業については「現時点において具体的なスポンサー支援の意向が表明されていない中で事業を継続することは極めて困難な状況」として、本日以降速やかに事業を停止します。

現行端末の製造販売だけでなく、修理やアフターサービスについても継続が困難として、「事業を一旦停止させてゆく予定」。

arrows N は再生素材の使用だけでなく長期間にわたってアップデートを提供するなど、長く使えて廃棄物を出さず持続可能なスマートフォンをうたっていましたが、事業自体がサステナブルでなくなってしまいました。


追記: FCNTとしては修理やアフターサービスも継続できないと述べていますが、自社製品として扱う携帯キャリア側はサポートの継続を発表しています。ドコモでは

(略) 当該端末をご利用されているお客さまへご心配をおかけすることがないよう、アフターサポート体制を整え、販売を継続してまいります。

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《Ittousai》
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