任天堂は定額制サービス「Nintendo Switch Online+追加パック」に加入すると遊べるレトロゲームに、「ファイアーエムブレム」シリーズの2作を6月23日から配信します。
追加される「ファイアーエムブレム 封印の剣」および「ファイアーエムブレム 烈火の剣」はゲームボーイアドバンス用ソフトであり、「烈火の剣」が「封印の剣」の続編に当たります。
オリジナル版にあった「前作のクリアデータを続編が読み込める」連動要素もスイッチ版に継承され、より使いやすくなりました(後述)。
ファイアーエムブレム 封印の剣(任天堂)
2002年に発売された、FE(略称)シリーズ6作目にして初の携帯ゲーム機用。舞台はエレブ大陸で、大国ベルン王国が小国リキアに侵攻。二大勢力の微妙なバランスが崩れたなか、小勢力の1つフェレ家の嫡男ロイが戦乱に身を投じる姿が描かれます。
シリーズを重ねるごとに複雑化していった戦術システムを簡素化した上で、一定の条件を満たしたユニット同士が近くにいると発生する「支援会話」システムを初搭載。支援レベルが上がると会話の内容も親密となっていく仕組みは、後続シリーズの「結婚」へと発展しました。
また、当時はユーザーの年齢層が低めだった携帯ゲーム機用の第1弾とあり、難易度は先行した据え置きゲーム機版よりも控えめ。特に直接の前作に当たる「トラキア776」が理不尽な難度と言われただけに、かなり初心者に歩み寄った印象があります。
さらにシリーズ初の「チュートリアルモード」も搭載。ただしメニューの分かりにくい場所にあり、肝心の初心者に気づかれにくかったためか、続編「烈火の剣」では本編にチュートリアルが組み込まれています。
ファイアーエムブレム 烈火の剣(任天堂)
2003年に発売されたシリーズ7作目にして、「封印の剣」の続編。ただし時系列的には「封印の剣」の20年前に当たり、前作に縁のあるキャラクターが何人か登場しています。
舞台となるのは、エレブ大陸の東の大地。リン、エリウッド、ヘクトルの3人が主人公であり、それぞれが中心となる物語が用意されています。まず「リン編」をプレイし、その後プレイ可能となる「エリウッド編」や「ヘクトル編」にキャラクターのデータが引き継がれるという仕組み。
前作よりも初心者が入門しやすいよう、リン編は事実上のチュートリアル。前作をベースにしたシステムはさらに練り込まれ、難易度は抑えめながらもボスは歯ごたえのある強さ。様々な家族のあり方を深掘りするストーリーは、主に「戦争」をテーマとするFEシリーズの中では異彩を放っています。
そしてスイッチ版ならではの改良点としては「データの引き継ぎやすさ」があります。
オリジナルのGBA版では、2つのゲーム機本体を用意してそれぞれにカートリッジを入れ、通信ケーブルで繋いでから「封印の剣」側でスタート+セレクトを押して……と多くの段取りが必要でした。
それがスイッチ版では「封印の剣」のクリアデータがある場合、「烈火の剣」側でメニュー画面の「エクストラ」から「“封印の剣”読み込み」を選ぶだけです。
また、また、2人でローカル通信またはオンラインプレイをする場合、2台の本体間で自分の「烈火の剣」から相手の「封印の剣」のクリアデータを読み込むという、昔ながらのやり方も選べます。
これら2作の主人公であるロイとリンは、最新作「ファイアーエムブレム エンゲージ」でも、異界の英雄である紋章士として登場。GBA版で復習してから最新作にチャレンジするもよし、「ファイアーエムブレム エンゲージ」でキャラクターに触れてからそれぞれの物語を体験するもよし。最新作と過去作を行き来して、楽しさを深めたいところです。