日本時間で6月30日の午後頃から、ログインしないとTwitterが表示できない状態が続いています。
非ログイン状態からツイートを見ようとすると、「Twitterにログイン」ウィンドウが表示され、ツイートやスレッドの閲覧、ユーザープロフィールの確認は事実上ブロック。これはウェブ版とiOS/Androidモバイルアプリでも共通しています。
従来はツイートのURLを開けばウェブブラウザで開いて確認でき、各種アプリの内蔵ブラウザで見たり、アプリによっては自動でプレビュー表示できましたが、現在はそれぞれの環境でログインするか、ログインしたアプリで開き直す必要があります。
Twitterのオーナーであるイーロン・マスク氏は「一時的な緊急措置」であるとして、不意のトラブルではなく意図的だと認めました。また「データが略奪されすぎて、一般ユーザーへのサービスが低下していた」と付け加えています。
Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは「インターネットはますます壊れているように思う」としつつ、その1つが「今やTwitterはアカウントの壁だ(ログインしないと閲覧できない)」とツイート。これに対してマスク氏は「数百の組織(それ以上かもしれない)が実際のユーザー体験に影響を及ぼすほど、非常に攻撃的にTwitterのデータをスクレイピングしていた」とコメントしています。
スクレイピングとは、ざっくり言えばウェブサイトから情報を収集すること。先日もマスク氏とマイクロソフトとのやり取りの中で、スクレイピングが焦点の1つとなっていました。
以前もツイートを1つ読むだけなら問題ないものの、下にスクロールして他のツイートを見ようとすると、ログイン画面がポップアップすることもありました。とはいえ、最初からログイン画面が現れて、完全にツイートを覆い隠すことはありませんでした。
現在は埋め込みツイートの表示は可能ですが、もしそちらもログインしなければ見られなくなった場合、ツイートを埋め込んで読むことを想定していたウェブコンテンツは意味が通じなくなることも考えられます。
なおTwitterは同時期に、一時的措置として読み込めるツイート数の上限も設定しています。
Twitterは以前よりサービスの一部をGoogle Cloudプラットフォームに依存して来ましたが、Googleへの支払いを停止して契約条件について交渉していたものの合意に至らず、このままでは6月30日をもってGoogleのサーバを利用できなくなる見込みとの報道もありました。
一連の負荷対策や制限を導入したのとちょうど同じタイミングですが、イーロン・マスク氏は「極端なスクレイピング」が原因として、あくまで外的要因であることを強調しています。