イーロン・マスク氏は、企業名に続いてTwitterのブランド名も「X」に変え、このSNSの象徴だった青い鳥のアイコンも追放しました。
マスク氏は、このサービスを単なるSNSから金融も含む「スーパーアプリ」に変えるためにTwitterの名が不要になったと説明しています。
一方、誰もが気になったのが、Twitter公式アカウントの行方。当初はユーザー名だけ「Twitter」から「X」に変更され、IDは「@Twitter」のままだったため、おもわずツッコミを入れたくなるユーザーも多かったはず。
実は「@x」のアカウントは2007年からずっと、サンフランシスコを拠点とする写真家の Gene X Hwang氏が使用していました。しかし、7月25日にこの「@x」アカウントが非公開化されています。
この時点ではTwitter / XからHwang氏に何の通告もなかったものの、同氏は「連絡があれば喜んで話を聞く」「納得のいく提案があれば、喜んでアカウントを手放すつもりだ」と述べていました。
その後27日になって、@xアカウントがこのSNSの公式アカウントとして生まれ変わっているのが発見されています。
しかしHwang氏によると、X(Twitter)側はこのアカウントが「本質的に『X』の所有物だというメールを送ってきた」のみで、金銭的補償は提案も含め一切なかったとのこと。
Hwang氏いわく「起こると思っていたことが起こり、私はそれをただ受けいれた」。X(Twitter)側は「利用可能な希望のユーザーIDを提示すれば、投稿履歴/フォロワーなどをその新しいユーザーIDに切り替える」と提案してきたのだそう。
さらに公式グッズの提供や経営陣との面会も提案があったのことです。
それでも結局、Hwang氏は事前に述べていたようにアカウントを明け渡しました。Hwang氏は「自分は法律の専門家ではないし、そこにどんな権利があるのか分からないので、この変更で争うつもりはない」と述べています。
現在Hwang氏は、一時的なユーザーIDとしてTwitterが与えた「@x12345678998765」を使用しています。ただ、これは希望するユーザーIDを選ぶまでの暫定的なものだそうです。また経営陣との面会は辞退したとのこと。貰えるつもりだったものを貰えなかったのにご対面となっても、それはおそらく「気まずいもの」になると考えてのことだそう。
なお、Twitterの利用規約には、マスク氏が買収する以前から「お客様に対する責任を負うことなく、サービス上のコンテンツの削除または配布の拒否、サービス上のコンテンツの配布または公開の制限、ユーザーの一時停止または終了、およびユーザー名の回収を行う場合があります」と記されています。したがって、規約の上では、Twitterはいつでもユーザーのアカウントを接収できるということです。
この規約を使用した例としては、過去にシリコンバレーで働く日本人のNaoki Hiroshima氏が使用していたアカウント「@N」が売買目的でハッカーに乗っ取られた際、Twitterがこれを強制的に取り戻してHiroshima氏に返却したことがありました。
Hwang氏は暫定アカウントで「終わりよければすべて良し」とツイートしています。
ところで、サービスの名称をTwitterからXに変えたことに関して、日本でもTwitter公式アカウントの名前がどうなるかで一時ユーザーがザワついていました。なにせ「X Japan」といえば、おそらくだれもがあの伝説的ロックバンドを思い出すはず。しかし結局、なぜか日本公式アカウントの名前が「Japan」になったため人々の心配は収まりました。
ただ、もしかするとこの「Japan」というアカウント名から1970年代に人気を誇った英国のバンド「Japan」を思い出している人もいるかもしれません(もしくは大阪のディスカウントストア?)。