アップルが現行機種最大の12.9インチを超える大型iPadを開発中との噂話は、何度もリーカーや識者らが述べてきたことです。特に、約14インチモデルについては複数の情報源が発信しており、かなり信ぴょう性が高まっていた感があります。
そんななか、アップルは今年(2024年)14インチの新型iPadがリリースに「近づいた」として、もう少しで発売に踏み切るところだったが見送ったと著名ジャーナリストが主張しています。
アップルの社内事情に精通するBloombergのMark Gurman記者は、ニュースレター「Power On」最新号で「ジャンボiPad(13インチ以上)のリリース計画に何が起こったの?」という質問に答えています。
それによれば、アップルは一時、14インチiPad Proの発売を決定する目前だったものの「当面の製品ラインアップにそうした製品はないようだ」と述べています。
開発計画が中止されたかどうか言及していませんが、しばらく発売の予定はないと示唆しています。
大型iPadが見送りになった理由として、Gurman氏は2つの理由を挙げています。
1つは、iPadの画面サイズが大きくなることで、Macと市場が被ってしまいかねないこと。第2に、iPadが有機EL画面に移行するため、ディスプレイの製造コストが大幅に上昇することです。
2024年に初の有機EL版iPad Proが登場するとの予想は、以前から複数の専門家や調査会社が主張してきました。画面サイズは11インチはそのまま、12.9インチ後継モデルは13インチになるというものです。
アップル製品としては、すでにiPhoneやApple Watchが有機ELパネルを採用しています。が、11インチ/13インチiPad Pro用のパネルは、製造コストが大幅に上がると予想。なぜなら、『ツースタックタンデム構造」や「LTPO TFT」など高度な技術を使うためです。
そして製造コストは価格に反映され、11インチは1500ドル(約22万円)~、13インチは1800ドル(約26万円)~が検討されていると韓国メディアThe Elecは報じていました。14インチなら、それ以上になるでしょう。
ジャンボiPadの噂話は、おそらく2021年6月にGurman氏が述べた「早ければ数年後に店頭に並ぶ可能性がある大型iPad」が始まりです。その後、同氏は15インチiPadが開発中とも示唆していました。
また、The InformationのWayne Ma記者も、「iPadとMacBookの間の境界線をさらに曖昧」にする16インチiPadが開発中だと主張していました。Ma氏はアップルの空間コンピュータ(MRヘッドセット)Vision Proの情報をいち早く、かなり正確に伝えた実績があります。
さらに信頼性の高いディスプレイ専門アナリストRoss Young氏も、14.1インチiPadが準備中との噂に対して肯定的なポストをしていました。
もっとも、その後Young氏は発言を撤回し、「そのようなデバイスはもはや計画されていない」と発言しています。
著名リーカーMajin Bu氏は、M2 iPad Pro上で簡易macOSがテスト中だと述べていました。それが本当だとすれば、アップルは社内で「Macアプリも動くジャンボiPad」を準備しつつ、製造コストの低下を待ち、Mac市場の共食いを避けるアプローチを探っているのかもしれません。