インテル、有機基板に代わる「ガラス基板」試作チップ公開。2030年以降もムーアの法則継続を可能に

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Ittousai

Tech Journalist. Editor at large @TechnoEdgeJP テクノエッジ主筆 / ファウンダー / 火元

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年に一度の自社イベント Intel Innovation にさきがけて、インテルが2020年代後半の実用化を目指す「ガラス基板」を公開しました。

ガラス基板は従来の有機基板と比較して10倍のインターコネクト密度など、高集積化と高性能が見込めるパッケージング技術。当初はAIやGPU、HPCなど、特に高いパフォーマンスが求められる大型フォームファクタのチップに投入を予定します。

ガラス基板の導入で、インテルは限界が来たと言われて久しいムーアの法則(「2年で2倍」)を延命し、「2030年までに1兆トランジスタ搭載パッケージ」の実現を目指します。

ガラス基板(glass substrate)の利点は、現在の有機基板と比較して熱による変形に強く、等方性が高いなど構造的に安定しており、より微細にできるTGV(ガラス貫通電極)を含め相互接続の密度をはるかに高くできること。

要は様々な種類の「チップレット」を組み合わせ積層する先進的パッケージング技術と相性が良く、従来よりも大きな面積に、より高い密度で埋め込むことができ、歩留まりの向上も見込めるという、今後10年単位でプロセッサの進歩を支える基盤となる技術です。

有機基板を使ったパッケージングでの高集積化は2020年代末には限界を迎えると見られていますが、インテルはガラス基板と3D積層などパッケージング技術を組み合わせ、2030年以降も従来同等のペースでチップの高集積化・高性能化・効率化を維持できるとしています。

ガラス基板と聞くといかにも割れそう・衝撃に弱そうですが、ひとつのチップのパッケージングの話であって、ロジックボード全体を一枚のガラスに置き換えるわけではありません。念のため。

とはいえ、240×240mmといった大型フォームファクタを実現するだけに、衝撃への対策はインテルが取り組んできた課題。インテルによると、(「従来のシリコンだって脆い」という話は前提として)脆さ対策にはガラスの組成そのもの、機械的な構造、力の掛かり方を含めて多くのイノベーションがあり、今後も継続して改善してゆく予定。

ガラスとひとくちに言っても様々な種類がありますが、具体的に何ガラスなのか、成分や組成、製造については、パートナー企業を含めて非公開としています。

《Ittousai》
Ittousai

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