アップルが完全自動運転のEV(電気自動車)関連技術を開発していることは、公然の事実です。
同社が試験車両の公道テストを行っている米カリフォルニア州では、DMV(車両管理局)がテストドライバーの人数までも公開。またBloombergほか大手メディアが、「Project Titan」の動静につき詳細に伝えてきました。
通称「アップルカー」のプロジェクトは紆余曲折を経てきましたが、著名アナリストが「開発の見通しが全く立たなくなったようだ」と主張しています。
アップルの未発表製品に詳しいMing-Chi Kuo氏はXにて、「アップルが買収戦略を採って自動車市場に参入しなければ、アップルカーが今後数年のうちに量産できるかどうか疑わしいと述べています。
それ以上の詳細を述べておらず、何を根拠にしているかは不明です。
もっともKuo氏はアップルのサプライチェーン情報に詳しいことで知られており、同社が部品を調達する動きが全く見られない、あるいは部品サプライヤーとの価格交渉が不調、ないし組立て業者を起用する目処が立ってないことを意味しているかもしれません。
アップルカーが最も実現に近づいたのが、おそらく韓国の現代自動車や傘下の起亜自動車との協議に入ったと噂された2021年初めのことでしょう。その協議が破談になったと報じられてから、ゆくえが見えにくくなっています。
昨年末、Bloombergはアップルは「野心的な自動運転車プロジェクト」を縮小したと報道 。もともと「ハンドルもペダルもない完全自律走行車」を目指していたものの、実現不可能な現実に直面したと述べていました。
その代わり「高速道路での完全自律走行」のみに絞りつつ、早ければ2026年にアップルカーを発売し、10万ドル以下の価格を目指すとのことでした。
アップルカーについて、Kuo氏は2022年初めに「プロジェクトチームはしばらく前に解散していた」として再編する必要があるとXにポスト。
それから約1か月後、別の情報筋が「テスラ車のように中央集中型OSを採用」と伝えるなど、プロジェクトが進んでいるのか混乱しているのか、外部からはうかがい知れない状況にあります。
これまでアップル社内の自動運転技術は何回も盗まれており、盗んだ元従業員は中国に逃亡していました。本来の目的であるアップルカーに搭載される日が来ることを祈りたいところです。