2012年にホバーボード、バランススクーター、またはミニセグウェイなどと称され、類似品が多数発売されるほどの人気商品になった「Hovertrax」の発明者Shane Chen氏が、その2輪だけでバランスを取り走行する技術を用いた電気自動車コンセプト「Shane」を発表しました。
Hovertraxは、両サイドに車輪を1輪ずつ、合計2輪を備える電動スケボー。ボードの上に乗ったライダーが身体の重心を前後に移動すると、倒立振子のしくみで車輪を駆動して走行する乗りものです。
今回発表されたSheneも、巨大な車輪を左右に備えた2輪の電気自動車で、その中央に5人が乗れる空間を持つ本体がはさみこまれたかっこうをしています。普通ならそのまま前後に傾いてしまうことは外観からもわかりますが、Hovertraxと同じ仕組みでバランスを維持することができ、走行時は本体部分が前後に水平スライドすることで重心を移動して加減速を行います。
Chen氏曰く、Sheneは一般的な四輪の自動車に比べて扱いやすいと述べています。たしかに、2輪しかないために内輪差などもなく、原理上はその場で360度ターンも可能であるため、狭い場所への駐車が非常に楽であることは想像できます。
また四輪車よりもエネルギー効率が高いともChen氏は説明しています。巨大な車輪は転がり抵抗が少なく、ホイール内ショックアブソーバーの減衰エネルギーを充電に利用する機構も備えるとのことです。
Chen氏はHovertraxの発明が特に知られていますが、その後もSolowheel、Lunicycle、Hydroglideといった発明品をすべて製品化させている実績があります。今回のSheneも「モビリティへの取り組み方に変化をもたらすと心から信じている」と述べており、このコンセプトを実現するための資金パートナーを探しているとしました。
なお、Sheneを紹介する動画を見ると、車内にはこの乗りものを操縦するための装備がみえません。もしも実際に資金を得て、このコンセプトを実現するとなれば、安全装備も含めて大幅な変更が必要になりそうな気はします。
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