修理業者iFixitは、先日発売されたPixel 8 Proの分解動画を公開しました。焦点は初搭載の温度センサがどうなっているか。
iFixitはハイテク製品を買ったユーザーが自ら修理したり、メーカー公認ではない業者にでも修理を依頼できる「修理する権利」を支持する立場。その視点から、最新スマートフォンやMRヘッドセットなどを分解し、どれだけ修理しやすいかを採点してきまし。
なおiFixitは、Googleの公式パートナーとしてPixelシリーズの修理用パーツなどを販売中です。今回の動画でもそれは認めつつ、今回バラした製品はGoogleから提供されたものではなく、自腹で買ったと強調しています。
分解にあたってまずヒーティングマットで筐体を温め、クランプやピックで画面を取り外すことは他のスマホ分解とも共通。
最大輝度1400ニト(HDR)、2400ニト(ピーク輝度)と、前モデルPixel 7 Pro(それぞれ1000ニト/1500ニト)より強化されたサムスン製有機ELパネルも、顕微鏡で「ダイヤモンドピクセル」サブピクセル構造までクローズアップしています。
ディスプレイを取り外した後は、5Gミリ波アンテナケーブを折り返し、下のカーボンシート(放熱用)を剥がすことに。そしてプルタブを引っ張ってバッテリーを取り外そうとしたものの、接着剤に阻まれています。
そこはイソプロピルアルコールで接着剤を柔らかくした上で、ピックで持ち上げることで突破。バッテリー容量は5050mAhで、Google公式発表どおりです。
ようやくトリプルカメラを収納したカメラバーも姿を現し、こちらも分解。それぞれ50MPのメインカメラ、48MPの超広角カメラ、48MPの光学5倍ズーム望遠カメラが確認できます。
さらに望遠カメラのサイズは、Galaxy S23 Ultraの光学10倍カメラ(10MP)とほぼ同じとのこと。またiPhone 15 Pro Maxの光学5倍カメラ(12MP)のほぼ2倍も大きいと指摘しています。
最後に、Pixel 8 Pro専用の温度測定機能を確認。4つの小さな円形センサがカメラバー右端の下側に収められています。
カメラバーにはこのほか、独立した環境光センサもありました。STMicroelectronics製のセンサが使われており、カラフルなフィルタで特定周波数の光だけを測り、色補正に利用するようです。
なお体温測定機能については、米国ではFDA(米国食品医薬品局)の承認待ちであり、日本での対応は不明です。
修理しやすさについては、画面からも背面からも開けやすく内部に手が届きやすいことが好評価。またPixel 8 Proの部品は「ソフトウェアロック」がないため、安く手軽に修理できるとのことです。
ここでいうソフトウェアロックとは、iPhoneの一部部品のようにスマホ本体がひも付けされ、アップル純正ツールを使わなければ機能が制限される仕組みのことです。iFixitはiPhone 15 Pro Maxを分解した際にも、それを指摘していました。