アップルは31日朝の「Scrary Fast.」イベントにて、新型チップ「M3」「M3 Pro」「M3 Max」を搭載したMacBook Proを発表しました。
最もお求めやすいのは、ベースモデルのM3チップを搭載した14インチMacBook Pro。また14インチ/16インチモデルともに、M3 ProおよびM3 Maxを採用したハイエンド構成も用意されています。
全モデルとも、前世代からLiquid Retina XDRディスプレイを引き継ぎつつも、SDRコンテンツを20%明るく表示できるようになったとのこと。ほか1080pの内蔵カメラや6スピーカーサウンドシステム、豊富な拡張ポート類は変わっていません。最大22時間のバッテリー駆動時間も、前M2シリーズチップ搭載モデルと同じです。
搭載されるM3シリーズチップは、3nm技術により作られた「初めてのパーソナルコンピュータ向けチップ」と謳われています。そこで重点が置かれているのがGPUであり、Appleシリコンのグラフィックスアーキテクチャにおけるこれまでで最大の飛躍とのこと。
このGPUが備えた「Dynamic Caching」という技術は、リアルタイムでハードウェアのローカルメモリーの使用量を割り当てる画期的なもの。これにより各タスクに必要かつ正確な量のメモリが割り当てられ、プロ向けアプリやゲームでのGPUの使用率とパフォーマンスが大幅に向上する、と主張しています。
ほかハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングやハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング機能も搭載。今回のイベントでは、ゲームでの正確な陰影や反射によるリアルな表現が強調されていました。
ざっくりした性能としては、M3搭載14インチMacBook ProはM1搭載の13インチMacBook Proよりも最大60%高速。M3 ProはM1 Pro搭載モデルよりも最大40%高速、M3 MaxはM1 Maxモデルよりも最大2.5倍、最も速いインテルベースMacBook Proよりも最大11倍高速だと主張しています。
より細かく言えば、各M3シリーズチップ性能の前モデル比は以下の通りです。
M3搭載モデル
Final Cut Proでのレンダリング性能は、Core i7搭載の13インチMacBook Proよりも最大7.4倍高速、M1搭載の13インチMacBook Proよりも最大60%高速
Xcodeでのコードのコンパイルは、Core i7搭載の13インチMBPより最大3.7倍高速、M1 13インチMBPより最大40%高速。
Microsoft Excelでのスプレッドシート性能は、Core i7搭載の13インチMBPより最大3.5倍高速、M1 13インチMBPより最大40%高速
M3 Pro搭載モデル
Adobe Photoshopでのフィルタと機能は、最も速いIntelベースのMacBook Proよりも最大3倍高速5、M1 Pro搭載の16インチMBPより最大40%高速。
Oxford Nanopore MinKNOWでのDNA配列のベースコールは、最も速いIntelベースMBPよりも最大20倍高速、M1 Pro搭載 16インチMBPより最大36%高速
Adobe Premiere Proでのテキストベースの編集は、Intelベースの16インチMBPより最大1.7倍高速5、M1 Pro搭載の16インチMBPより最大30%高速
M3 Max搭載モデル
MathWorks MATLABでの動的システムのシミュレーションは、最も速いIntelベースMBPより最大5.5倍高速、M1 Max搭載16インチMBPより最大2倍高速。
Maxon Redshiftでのレンダリング性能は、最も速いIntelベースMBPより最大5.3倍高速、M1 Max搭載の16インチMBPより最大2.5倍高速
DaVinci Resolve Studioのノイズ低減は、最も速いIntelベースのMBPより最大2.7倍高速、M1 Max搭載の16インチMBPより最大65%高速
本体色は、M3 Pro/M3 Maxモデルのみスペースブラックが追加。酸化皮膜シールにより、指紋の付着が大幅に減ります。M3 Pro/M3 Maxモデルは他にシルバーもあり、M3搭載の14インチMacBook Proにはシルバーとスペースグレイがあります。
全モデルともアップル公式オンラインストアで注文可能で、11月7日発売。価格は、最も安い14インチMacBook Proが24万8800円(税込)~。最上位構成の16インチMacBook Pr(16コアCPU+40コアGPU)に128GBユニファイドメモリ、4TB SSDストレージをぜんぶ載せした場合は109万2800円となります。