マイクロソフトの最高技術責任者(CTO)ケヴィン・スコット氏はOpenAIの従業員に対し、もしマイクロソフトに移るのであれば、現在のOpenAIで得ているのと同額の報酬で雇用する考えを示しました。
現在、約770人とされるOpenAIの従業員は、そのうち700人以上が、アルトマン氏のOpenAI復帰が実現しなければ会社を離れるとする公開書簡に署名して、取締役会に突きつけています。この公開書簡に対して、取締役会は具体的な対応は取っていません。
一方、突然CEOを解任されたサム・アルトマン氏は(一時は取締役会との協議が物別れに終わり、マイクロソフトに加入することが報じられたものの)現在、再び復帰の可能性をOpenAI側と協議しているとされています。
そして記事執筆時点で最新の情報によると、アルトマン氏は今週中にもCEOとして復帰する方向で話を詰めているところだと伝えられています。この協議は、主にOpenAIの現取締役でナレッジコミュニティサイトQuoraのCEOでもあるアダム・ディアンジェロ氏とアルトマン氏との間で行われており、そこに他の取締役会メンバーも含めて議論されているとのことです。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは月曜日、CNBCに対して「OpenAIはそのガバナンスについて、何かを変える必要があることが明らかだと思う」と述べました。またナデラ氏はアルトマン氏とブロックマン氏がマイクロソフトに加わるかどうかについては明言せず、両氏のマイクロソフト入社をSNSで発表した時点からはすでに状況が変わっていることを示唆しました。
マイクロソフトはOpenAIへ多大な投資を行っており、そのAI技術を様々な製品に組み込んでいます。もし、ここでOpenAIが企業として機能しなくなるようなことがあれば、マイクロソフトは広範な製品の維持や改善に支障を来す可能性が高まります。今回のOpenAI従業員への報酬の提示は、アルトマン氏とOpenAI取締役会の協議がどっちに転んだとしても、製品の維持改善体制を確保するための対策と言えそうです。
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