米国のビールメーカーMichelob ULTRAが、名門F1チームのウィリアムズ・レーシングとのコラボレーション企画として『Lap of Legends』と題したテレビ番組を製作中であることを発表しました。
この番組は、簡単に言えば現役のF1ドライバーが過去のF1チャンピオンとの夢のレース対決を実現するというものですが、過去のF1チャンピオンは本人ではなく、その走りを数千時間に及ぶレース映像と過去のデータ分析し、F1 レジェンドとそのオリジナルマシンのスピード、レーシングスタイル、テクニック、戦略を模倣して再現したAIレーサーとして登場します。
つまり現役のF1ドライバーと、AIによって絶頂期の力を持ったバーチャルなF1チャンピオンたちがレースを繰り広げることになります。
対決の舞台は、1950年に始まったF1世界選手権の初レースが行われた英国のクラシックコース、シルバーストン。現在もF1英国グランプリを開催するこのサーキットで、リアル対バーチャルの全16周レースが行われます。
現在、ウィリアムズ・レーシング現役ドライバーはアレックス・アルボン選手とローガン・サージェント選手の2名。対するF1チャンピオンは、マリオ・アンドレッティ、ジャック・ヴィルヌーブ、ジェンソン・バトンら7人がAIの再現によって登場します。
この番組は、AMC、BBC America、The Roku Channelで2024年春に放送され、その後世界28カ国で配信される予定となっています。28カ国の内訳はリリース文には記されていませんが、F1開催国のひとつである日本でも視聴できることを期待したいところです。ちなみに、Michelob ULTRAは昨年、63歳(当時)のジョン・マッケンロー本人と、AIで再現した若き日のマッケンローがテニス対決する『McEnroe vs. McEnroe』を製作していました。
現在のウィリアムズ・レーシングチームは、1977年に創設者フランク・ウィリアムズ氏が起こした「ウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリング」チームを起源としており、1980~1990年代にかけて9度のコンストラクターズチャンピオン(チームタイトル)を獲得、さらに7人ものF1世界チャンピオンを輩出してきました。
近年は潤沢な予算を投じる自動車メーカーの参入が相次ぎ、プライベートチームがワークス待遇を得にくくなった背景もあってウィリアムズ・レーシングの成績は低迷気味ですが、2020年のチーム売却~オーナー変更を経て、再び巻き返しを図っているところ。11月26日に閉幕した2023年のF1世界選手権は、全10チーム中7位で終えています。
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