「愛の讃歌」や「ばら色の人生」といった名曲とともに伝説のシャンソン歌手として知られるエディット・ピアフは1963年に47歳の若さで生涯を閉じましたが、彼女の声と姿が新作映画の中で蘇ることになりました。AI技術の助けを借りて。
エディット・ピアフの生涯を綴ったドキュメンタリー映画はいくつも制作されてきましたが、ワーナーミュージック、エディット・ピアフの著作権管理会社であるEdith Piaf’s Estateが発表した映画「Edith」では、彼女が遺した声を元にしたAIボイスによりナレーションが行われることが明らかになっています。
映画は90分で、彼女が活躍した1920年代から、晩年の1960年代までを、豊富な映像を元に描く予定です。
数百もの音声と写真を学習したAIモデルを使ったアニメーションも映画に含まれる予定です。検証用の声と映像を体験したEdith Piaf’s Estateの責任者は「エディットの声を、同じ部屋で話しているように再び聴けるとはなんと心を打つ体験でしょう。アニメーションも美しいです」とコメントしています。
AI美空ひばりのように「新曲」を歌うわけではありませんが、新しくても1960年代という古い彼女のレコーディングが、ビートルズ最後の新曲で使われたようなAIによる音源分離や超解像技術により鮮明な歌声を取り戻し、新たな魅力を次の世代に伝えられるとすれば、それは素晴らしいことではないでしょうか。