XREAL新型は3Dセンサ搭載の「XREAL Air 2 Ultra」開発者向け空間コンピューティンググラス

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山本竜也

20年務めた会社を辞めて、ガジェットなど好きなことをブログなどに書いて生きています。

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世界最大の家電・IT見本市イベントCES 2024に先立ち、XREALがサングラス型ウェアラブルの新モデル「XREAL Air 2 Ultra」を発表しました。すでに予約受付を開始しており、3月末までに出荷予定です。

日本での価格は9万9800円。実機は1月9日(現地時間)からCESで展示します。

XREALは、コンシューマー向けのAR市場で過半数のシェアを占めているとしており(※XREAL調べ)、昨年末にXREAL Air 2 / Air Proを購入した人も多いはず。

「買ったばかりなのにもう新型か……」と感じるかもしれませんが、XREAL Air 2 Ultraはコンシューマー向けではなく、AR開発者向けのデバイスです。

開発者向けとしては、XREAL Airよりも前からXREAL Lightが販売されてきました(当時はNreal)。名前の印象から廉価版のようなLightですが、Air 2/ Air 2 Proよりも広い視野角52度や、ユーザーの頭の向きや位置を検出する6DoF対応など高機能なデバイスです(Air 2は視野角46度、単体では3DoFにも非対応)。

Air 2 UltraはそのLightの後継モデルとなり、XREALもARグラスではなく「空間コンピューティンググラス」と称するなど、高機能を売りにしたデバイスとなっています。

視野角はLightと同じ52度。片眼1920×1080ピクセルで最大120Hzのリフレッシュレートに対応します。

3Dモード(立体視モード)も備えており、その場合のリフレッシュレートは90Hz。また、Air 2 Proと同じく、3段階のエレクトロクロミック調光に対応します。

前面に2つのカメラを搭載しますが、これは3D環境センサーで、ハンドトラッキングや6DoF、平面検出、空間アンカー、画像追跡などに対応します。

なお、搭載するカメラは動画撮影や写真撮影はサポートしていません。

本体フレームは強靭かつ軽量なチタン製で、カメラなどが追加されているものの、重さは80gにとどまっています(Air 2 Proは75g)。

LightやAirシリーズと同じく単独では利用できず、スマートフォンやPCと接続が必要です。

空間コンピューティングをサポートするスマートフォンはGalaxy S22 / S23のみで、今後他のスマートフォンをサポートする予定はないとのこと。

ただし、最高のAR体験を実現するための「カスタムコンピューティングユニット」が登場予定です。

単純なスクリーンミラーリングだけであれば、USB-Cからのビデオ出力に対応したスマートフォンを利用可能。XREAL Beamに接続した3DoFも利用できます。

頭の向きだけでなく上下左右の動きも反映できる6DoFに対応するのは、いまのところNebula for Macのみのようです。

開発者向けには、ハンドトラッキングや空間アンカー、深度メッシュなどの空間コンピューティング機能を大幅に強化したNRSDK 2.2が今後数か月以内にリリース予定です。

空間コンピューティングを強く打ち出したのは、AppleのVision Proを強く意識してのことでしょう。

単体でMacBook級の処理能力を備えるゴーグル型のVision Proと、スマートフォン等に接続する軽量なグラス型のXREAL Air 2 Ultraという大きな違いに加えて、Vision Proはカメラ越しのパススルーなのに対し、XREAL Air 2 Ultraは実際に透過しているという違いがあります。

ただ、Vision Proの視野角は約90度と言われるのに対し、XREAL Air 2 Ultraは52度。シースルーなので周辺視野も含めてそのまま見えていますが、ARを重ねられるのは正面の窓部分だけです。

Air 2 Ultraの処理能力は接続デバイスしだいですが、一度に見える情報量の多さや没入感、自然な重ね合わせに関しては、広い視野角と多数のセンサを載せたVision Proが勝りそうです。

とはいえ、3499ドル(約50万円)のVision Proに対し、XREAL Air 2 Ultraは699ドル(9万9800円)。Appleとは別に、「空間コンピューティング」の大きな流れに乗りたい開発者には有力な選択肢になりそうです。

XREAL Air 2 Ultraは、9万9800円で予約受付中。以前にXREAL Lightを購入している場合には、8万5500円で購入可能です。


《山本竜也》

山本竜也

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