X(Twitter)は、テキサス州オースティンにプラットフォームのコンテンツモデレーションを行う「信頼性および安全性」に関する中核部署を設置する予定だと土曜日にブログ記事で発表しました。
このブログ記事で、Xは2023年にオンラインにおける児童の性的搾取(Child sexual exploitation:CSE)への取り組みを最優先事項とすると明確化したと述べ、プラットフォーム上の「米国において13~17歳のユーザーは毎日のユーザーの1%未満」だとし、Xは子供や未成年者にとって選ばれるプラットフォームではないとしつつ、CSEと戦うための追加のツールとテクノロジーへの投資を行い、その結果1240万アカウントを停止したと述べています。
そして「発見されたCSEコンテンツについては全米行方不明・被搾取児童センター(NCMEC)に報告すべく、検出メカニズムの改善と、さらにテキサス州オースティンに信頼性および安全性に関する中核拠点を置き、より多くの社内エージェントを雇用して、影響力を加速」するとしました。
Bloombergは、この新設部署のために、Xが新規に100人を雇用、おもに児童の性的搾取に焦点を当てた活動を行うとしています。またXのビジネスオペレーション担当ヘッドであるジョー・ベナロッチ氏は、「Xには子供に特化した事業分野はないものの、犯罪者がCSEコンテンツの配信やエンゲージメントにプラットフォームを使うことを防ぐため、こうした投資を行うことは重要だ」と述べています。
ベナロッチ氏は、新設の部署はCSEの他にもヘイトスピーチや暴言を含む投稿の制限を含むSNSとしてのルール適用を支援する予定だと付け加えました。ただし、それがいつごろ活動を開始するのかは述べていません。なお、Xの求人ページには、モデレーターが「スパムや詐欺」などの問題を調査し、顧客サポートを提供すると記されています。
これまでの動きから考えれば、新たに「信頼性および安全性」の中核部書を設置するというのは、現在のX(Twitter)が進んで来た道を逆行する動きであるようにも思えます。Xのオーナーであるイーロン・マスク氏は、Twitterを買収後すぐに上級幹部らを解任し「言論の自由」をサービスに取り戻すべく、当時の信頼性および透明性対策部門や、誤情報の拡散抑止チームからコアエンジニアリングチームの一部まで、複数の部門を解散し、多数の従業員を解雇しました。
ベナロッチ氏は、1月31日に予定される上院司法委員会の、オンラインにおける子供の安全に関する聴聞会に、現在のCEOであるリンダ・ヤッカリーノ氏が出席する予定であると述べています。またヤッカリーノ氏が先週、聴聞会に先立って民主・共和両党の上院議員とワシントンで会談し際には 、XがTwitter時代の方針や、当時示していたリーダーシップに比べて、CSEやその他問題あるコンテンツへの対応にいかにして取り組んでいるかという点を強調していたとのことです。なお、この聴聞会にはMeta、Snapchat、TikTok、DiscordなどのCEOらも出席する予定です。