マイクロソフトがパヴァン・ダヴルリ氏をWindowsとSurfaceの新たなトップに任命したと、複数の大手メディアが報じています。
もともとWindowsおよびSurface部門は、数年にわたりパノス・パネイ氏が率いてきました。パネイ氏は様々な製品の開発を経てSurface製品の責任者となり、2020年からはWindows 11の開発を指揮。19年以上も勤務していたなかで「Surfaceの父」との呼び声もあった人物です。
しかし、同氏が昨年秋に退職して以来、両部門は2人のリーダーのもとに分割。ダヴルリ氏がSurface製品および搭載チップのWindows+Devices部門を、ミハイル・パラキン氏がWindows Experiences部門を監督していました。
それが、ダヴルリ氏のもとに「Experiences+Devices」部門に再統合した格好です。
今回の一報は、マイクロソフトのエクゼクティブバイスプレジデントであるラジェッシュ・ジャー氏の電子メールに基づくとされるもの。The Vergeのほか、Bloombergも同様の内部メモを入手したと主張しています。ちなみにダヴルリ氏は、ジャー氏にとって直属の部下になるとのことです。
ちょうど先週には、DeepMindの共同創業者ムスタファ・スレイマン氏がマイクロソフトAI部門のCEOに就任したばかりです。
要は、マイクロソフト内部で大がかりな組織再編が行われているようです。ジャー氏もメモで「このAI時代に向けて、Windowsクライアントとクラウドにまたがるシリコン、システム、体験、デバイスを構築するための包括的なアプローチが可能になる」と述べています。
ダヴルリ氏はマイクロソフトに23年以上も勤務しており、AMDやクアルコムと協力してSurface向けのカスタムチップを開発することに深く関わってきた人物です。
先日、マイクロソフトは法人向けSurface Pro 10とSurface Laptop 10を発表していました。これらはインテル製Core Ultra搭載モデルのみでしたが、今後は一般消費者向けにクアルコム製Snapdragon X Eliteをベースにしたカスタムチップ搭載モデルが登場するとの噂もあります。
これら「AI PC」を強力に推進していく戦略に備えて、Windowsという「体験(Experience)」と、Surfaceという「デバイス(Device)」を1人のリーダーの元に再びまとめたのかもしれません。