iPhone 12に iOS 17.4をインストールすると、正式には対応しないはずの Qi2規格 15Wワイヤレス充電器で急速充電できたとの報告があります。
iPhone 12が対応すれば、MagSafe対応 iPhone はすべて新規格 Qi2ワイヤレス充電器の15W充電に対応したことになります(一部機種を除く)。
Qi2はアップル独自のMagSafeを元に策定された新規格。MagSafeと同様に充電器をマグネットで位置固定でき、15Wでの充電が可能なワイヤレス充電規格です。
従来のQi規格対応機器では、マグネット位置固定と15W出力を備えていたとしても、iPhoneでは最大7.5Wまでしか対応していません。
Qi2の規格策定において、アップルはQi規格を策定するWireless Power Consosium(WPC)にMagSafeの技術を提供し、それがエネルギー効率を高める「Magnetic Power Profile」の開発などに役立てられました。アップルは現在、WPCの主要メンバーの立場に就いています。
またiPhone 15はその発表時にQi2に対応することを明らかにし、さらにiOS 17.2のリリースノートではiPhone 13およびiPhone 14がQi2に対応することが明らかにされていました。
今回は、iOS 17.4のリリースにともない、さらに旧機種のiPhone 12でもQi2が利用可能になったことが判明したわけですが、アップルはiOS17.4のリリースノートにiPhone 12のQi2対応を記しておらず、iPhone 12ユーザーにはサプライズの格好になっています。
Macworldのテストによると、iOS 17.4以降をインストールしたiPhone 12をQi2対応充電器で充電した場合は、アップルが認定したMagSafe充電器の充電スピードに匹敵する充電速度を記録し、15W充電時のみに表示される充電アニメーションも表示されることがわかったと報告されています。
なお、アップルの認証済み周辺機器を販売するベルキンは、同社で販売するQi2充電器の互換性リストに「iPhone 12/ Pro/ Pro Max/Mini」を含めて記述しています。これに関してベルキンは「(自社の)Qi2充電器は、Qi2対応デバイスに最大15Wの高速ワイヤレス充電を提供することが完全に認証されており、当社の内部テストでもこの能力が確認されている」としつつ、iOSアップデートに関する問い合わせはアップルにするようMacworldに述べています。
一方、ベルキンと同様に周辺機器を販売するAnkerは、iPhone 12 Proのワイヤレス充電機能についてのブログ記事で「iPhone 12 ProはQiワイヤレス充電規格をサポートしているものの、新しいQi2ワイヤレス充電規格をネイティブにサポートしていない」とし「iPhone 12 ProはMagSafe搭載により、従来のQi充電と同様のアライメントおよび効率の向上を実現しているが、これはQi2規格が最終決定され導入される前に設計されたものだ。したがって、iPhone 12 Proのワイヤレス充電機能はQi2ではなく、従来のQi規格と独自のMagSafeテクノロジーに基づいて構築されている」と述べました。
アップルが正式にiPhone 12シリーズのQi2対応を発表していないこともあり、Qi2対応充電器がiPhone 12に対応するかどうかは、その機器ごとで確認するほかなさそうです。
ちなみにiPhone 12 miniおよびiPhone 13 miniはMagSafe充電器を使った場合でも最大12Wの充電までしか対応していません。Qi2充電器を使った場合も設計上12W以上では充電できないのでご注意ください。
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