平均的な人間よりも遙かに高い運動能力を備えていたBoston Dynamicsのヒューマノイドロボ「Atlas」はまだ引退したばかりですが、一夜明けたところでなんとオール電動の新型「Atlas」が、われわれの前にその姿を現しました。
Atlasの「さよなら動画」の解説文では「油圧式のAtlasロボットはくつろぎ、リラックスする時間を迎えた」と、これまで使っていなかった「油圧式の」という言葉がわざわざ使われており、それが心に引っかかっていた人は多いことでしょう。案の定、その言葉の裏には「オール電動」Atlasが控えていました。
Boston Dynamicsは、新型Atlasを紹介するブログ記事で「電動版Atlasはより強力となり、前世代のどの製品よりも可動範囲が広くなった」としています。その様子は動画を見ればわかるとおりですが、ここまで可動範囲を広くした理由については「人間の動作範囲に制限されるのではなく、タスクを完了するためにできる限り効率的な方法」を、「人間の能力を超えた動き」で可能にしたからとのこと。
一方で、ヒューマノイドのフォームファクターを維持したことについては、それが「人間向けに設計された世界で働くロボットにとって有用なデザイン」だからだと説明しています。
実用化を目指すという点において、油圧式Atlasは、最終的に十数kgの重量物をつかんで持ち上げ、運搬できるまでになっていました。この点に関しても、新型では「顧客環境で予想されるさまざまな操作ニーズを満たすために、いくつかの新しいグリッパーのバリエーションを模索している」としました。
Boston Dynamicsは、現在の親会社である「ヒョンデをはじめとする、いくつかの革新的な顧客グループと提携し、今後数年間にわたってAtlasの実用化に向けた開発およびテストを行う予定」だと述べています。