2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』の脚本家アーロン・ソーキン氏が、その続編になる可能性ある作品を執筆中であることを明らかにしました。
前作『ソーシャル・ネットワーク』は、デヴィッド・フィンチャー監督のメガホンで制作され、アカデミー賞を受賞した作品。
ハーバード大学のオタク学生だったマーク・ザッカーバーグが、同じ大学のエリートであるウィンクルボスに依頼された学内コミュニティサイトのアイデアを拝借してFacebookの前身となるサービス「The Facebook」を立ち上げ、そのサービスが巨大化していく様子を描いていました。
ポッドキャスト『The Town with Mattew Belloni』にゲスト出演したソーキン氏は、Facebookをはじめとするソーシャルメディアが民主主義にどのような影響を与えたかについて質問された際に、新たな脚本を執筆中であることを明かしました。
内容はトランプ政権時代のFacebook内部の様子を描くものになるようです。「Facebookには1月6日(議会襲撃)の責任がある」と述べ、トランプ支持者らが暴徒化して連邦議会を襲撃したのはSNS企業のせいなのかと問われると「映画のチケットを買ってください」と返しました。
さらに議会襲撃とFacebookの関係性を具体的に映画にするのかと問われると「そのつもりだ」と答え「Facebookは、可能な限り意見の対立を引き起こすような内容をプロモーションするよう、アルゴリズムを調整してきた。 それがエンゲージメントを高めることにつながるからだ。そして、それこそがFacebookの内部で『無限スクロール』と呼ばれているものだった」と続けました。「Facebookの社内でも、収益拡大と倫理のあいだにある程度のせめぎあいがあるはずだと思うだろう。だがそんなものはない。あるのはただ収益拡大のみだ」とも述べています。
Hollywood Reporterはソーキン氏に近い人物が『ソーシャル・ネットワーク』に続く脚本が執筆中であることを認めたことも伝えています。ただこの人物は、このプロジェクトがまだ初期段階にあり、パートナーとなる映画スタジオもないことを強調しました。
2020年にも、ソーキン氏は『ソーシャル・ネットワーク』の続編の執筆に興味を示していました。ポッドキャスト番組『Happy Sad Confused』に出演した際には「その映画(続編)を書きたいかって?もちろん書きたいよ。でも、デヴィッド・フィンチャーが監督をする場合だけだよ。もしビリー・ワイルダーが墓場から蘇ってきて監督したいと言っても、デヴィッドとしかやらないって言うだろうね」と述べています。
またその翌年2021年にも「ここ数年フェイスブックで起こっていることは、語る価値のある話だと思うし、『ソーシャル・ネットワーク』の続編として語る方法はある」とHollywood Reporterに語っていました。
なお、ソーキン氏は以前、米議会襲撃事件をテーマとした脚本に取り組んでいることも伝えられていましたが、その企画はすでに消滅している模様です。