Razer、コロナ禍に発売したサイバーパンク風マスクのN95表記が虚偽だったとしてFTCから返金・罰金を求められる

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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米連邦取引委員会(FTC)は、ゲーマー向け周辺機器メーカーのRazerに対し、2021年にN95グレードと称して発売した「Zephyr」フェイスマスク(日本未発売)が基準を満たしていないとの訴えにおいて和解案を提示、購入者への全額返金および罰金として10万ドルを支払うよう求めました。

訴状によると、Razerは2021年10月にRazer ZephyrとRazer Zephyr Filter Packをオンラインおよびシアトル、サンフランシスコ、ラスベガスの3店舗で発売しました。当初、RazerはZephyrフェイスマスクが「N95」または「N95グレード」のフィルターを採用していると誤った内容で、ウェブサイトや各種SNS、YouTubeで宣伝していたものの、実際にはN95マスクを承認する機関である NIOSHの適合審査を受けていなかったとのことです。

FTC消費者保護局のサミュエル・レヴィン局長は「(Razerは)世界的なパンデミックのさなか、自社のフェイスマスクがN95認証の呼吸マスクと同等だと偽っていた」と述べています。

YouTuberのナオミ・ウー氏は、2021年このマスクが発売された数週間後にこれを分解し、宣伝されるような性能を備えていないことを動画で明らかにしていました。米国疾病予防管理センターによると、N95マスクは浮遊粒子の少なくとも95パーセントを除去する性能を有している必要があります。

ウー氏の動画や消費者からのクレームを受け、Razerはその後ウェブサイトのZephyr製品ページなどから「N95グレードのフィルター」という表現を削除。マーケティング資料も更新し「医療機器や呼吸器、手術用マスク、または個人用保護具(PPE)ではなく、医療または臨床現場で使用することを意図していない 」と説明に記していたとされます。ただ、すでにRazerのサイトからはZephyrのページは削除されています。

FTCのリリースによると、Zephyrの売り上げは100万ドルにのぼるとのこと。Razerは和解に応じる場合、これを全額返金し、罰金として10万ドルも支払わなければなりません。

一方、Razerは複数のメディアからの問い合わせに対し次のようにコメントしています。

「われわれはFTCの申し立てに同意しておらず、和解の一環としていかなる不正行為も認めていません。ただ訴訟による混乱を避け、ゲーマーのために優れた製品を作り続けることに集中するため、この問題を解決することを選択しました。Razerはわれわれのコミュニティを深く気にかけており、常に新しく適切な方法で技術を提供することを目指しています。Razer Zephyrは、コミュニティにかつてない革新的なフェイスカバーオプションを提供するために考案されました。Razerに対するFTCからの申し立ては、Zephyrに関する一部の声明における限られた部分に関するものです。 2年以上前、RazerはZephyrがN95マスクではないことを顧客に積極的に知らせ、販売を中止、購入した顧客には返金しました。」



《Munenori Taniguchi》
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