1km先まで飛んで要救助者を救うドローン浮き輪「TY-3R」。中国企業が開発

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Munenori Taniguchi

Munenori Taniguchi

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遙か遠く水平線近くに溺れる人を発見した場合、水難救助隊員には現場までボートで向かう時間が非常に長く感じられることでしょう。浮き輪を投げても、届く距離は限られます。しかし浮き輪が自ら要救助者のところまで飛んで行けるとしたら……?

中国のドローンメーカーDidiok Makingsが開発し販売する「TY-3R」は、浮き輪に4つのローターが取り付けられた、見たまんまのドローン浮き輪です。

TY-3Rはコントローラーのボタンを押すだけで浮上、そのまま現場まで飛び、付近に着水して救命ボートが到着するまで要救助者が捕まっておける浮き輪になります。正確に現場まで飛ぶために、浮き輪部分にはチルト可能なカメラが搭載されており、オペレーターは手元の画面に映るリアルタイム映像を見ながら要救助者までドローンを操縦できます。

救命ボートや水上バイクが到着して、要救助者が引き上げられれば、役目を終えた浮き輪、もといTY-3Rは再び飛び上がり、GPSの情報を頼りに離陸地点まで自律的に帰還することもできます。

TY-3Rは、浮き輪としては大人2人が捕まって浮くことができ、またローター回転部にはガードがあり、着水時には回転を停止して要救助者が怪我をしないよう保護されているとのこと。コントローラーとの通信可能距離は1.1km、飛行時最高速度は27km/h、連続飛行可能時間は10分以上。防塵防水性能はIP68とされ、メーカーは水深1mに30分の水没に耐えられると述べています。

Didiok Makingsのウェブサイトによると、TY-3Rの価格は1万1803ドル。記事執筆時点のレートでは約185万円となかなか高価ですが、それで救える命に比べれば安いものと言えそうです。

ちなみに、ドローンが溺れる人のもとまで飛んで救助するドローンはいくつかこれまでにも開発されていますが、いずれも上空から浮き輪などを投下するものでした。TY-3Rはドローンそのものが浮き輪の役割も果たすため、投下ポイントを失敗する可能性も少なそうに思えます。



《Munenori Taniguchi》
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