アップルは2025年春の後半より、Appleウォレットにマイナンバーカードを追加して、対面またはiOSのアプリ上で安全に利用可能にすると発表しました。
同社は日本のデジタル庁と協力し、準備を進めています。5月30日に日本の岸田総理とアップルのティム・クックCEOがテレビ会談し、「マイナンバーカードの機能をiPhoneに搭載することを確認」したことを受けての発表です。
これにより、iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードをシームレスに追加し、物理的なカードと同様にコンビニで公的な証明書等を発行したり、iOS版「マイナポータル」アプリにアクセスしてオンラインの行政サービスを安全に利用できるようになります。
Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは、これが初めてのこと。米国では2021年にデジタルIDカード(運転免許証と州身分証明書)のサポートを発表し、実際に2022年からアリゾナ州でスタートしましたが、今のところ利用できる州は限られています。アップルのお膝元であるカリフォルニア州でも未採用です。国単位での採用も日本が初めてとなります。
Apple PayおよびAppleウォレット担当バイスプレジデント、ジェニファー・ベイリー氏は「米国外への展開は、従来の物理的な財布を、簡単かつ安全で、プライベートなモバイルウォレットに置き換えるという私たちのビジョンにおいて重要なステップです」とコメント。日本での採用実績を足がかりに、国際的な展開を視野に入れているのかもしれません。
この機能が利用可能になれば、iPhoneユーザーは次の手順により対面で身分証明書を提示できます。
ウォレットを開いて自分のマイナンバーカードを選ぶ
サイドボタンをダブルクリックしてFace IDまたはTouch IDで認証
非接触IDカードリーダーに自分のiPhoneをかざす
カードリーダーでの読み取りの際に、追加の認証ステップが必要な場合もある
なお、Androidのマイナポータルアプリでは、昨年の5月からマイナンバーカードの電子証明書と同等の機能が利用可能となっています。