日本国内のスマートフォン向けアプリ市場での巨大IT企業の独占を規制する「スマホソフトウエア競争促進法」(スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案)が本日、参議院本会議で可決・成立しました。
公正取引委員会による所管のもと、2025年末までに施行する予定です。
この新法は、一定規模以上の事業を行うものを規制対象事業者に指定。禁止事項や遵守事項に違反した場合は、違反行為から得られた国内売上高の20%を課徴金として課されます。
他の事業者がアプリストアを提供することを妨げてはならない
他の課金システムを利用することを妨げてはならない
デフォルト設定を簡易な操作により変更できるようにするとともに、ブラウザ等の選択画面を表示しなければならない
検索において、自社のサービスを、正当な理由がないのに、競争関係にある他社のサービスよりも優先的に取り扱ってはならない
取得したデータを競合サービスの提供のために使用してはならない
アプリ事業者が、OSにより制御される機能を自社と同等の性能で利用することを妨げてはならない
ただし、これら一部は「正当化事由」があれば例外が認められます。
(▲画像:欧州で開設された代替ストア Altstore PAL)
この新法は、EUが施行したデジタル市場法(DMA)の日本版とも言われるもの。DMAにより「ゲートキーパー」に指定されたアップルは、サードパーティによるiPhone/iPad向け代替アプリストアや、App Storeにおける代替決済の許可に踏み切っています。
日本でもiPhone向けのサードパーティ製アプリストアや代替決済が許可されるようになるのか、今後の推移を見守りたいところです。