OPPO Reno11 Aハンズオン&発表会リポート。日本市場特化のベストセラースマホ最新モデル、4万円台で67W超急速充電やおサイフ・防水防塵も (石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

OPPOのスマホを日本で展開するオウガ・ジャパンは、ミッドレンジの最新モデル「OPPO Reno11 A」を発表しました。大手キャリアでは、ワイモバイルと楽天モバイルが販売します。

ミッドレンジ……というとコスパだけのスマホのようにも聞こえてしまいますが、同社のReno Aシリーズは日本市場に特化して開発された端末

機能だけでなく、デザインや価格まで日本のボリュームゾーンに最適化することで、オープンマーケットのAndroidスマホとしては販売トップの実績を誇っています。


■ Reno Aシリーズは国内累計210万台突破

 オウガ・ジャパンの営業推進部でプロダクトマネージャーを務める中川裕也氏によると、Reno Aシリーズの出荷台数は累計で210万台を突破しているといいます。

Reno Aは初代モデルに続き、「Reno3 A」「Reno5 A」「Reno7 A」「Reno9 A」と5機種を展開してきました。

売れ行きは徐々に伸びているため、後のモデルの方がボリュームは大きくなるとみられますが、単純平均で1機種あたり40万台以上を販売していることになります。OPPOにとって、日本での“顔”と言えるようなシリーズです。

(▲画像:Reno Aシリーズは、累計で210万台を出荷している)

 Reno11 Aでも、日本市場向けの機能は健在です。おサイフケータイに対応しているのはもちろんのこと、ややグレードは落ちてしまいましたが、引き続き防水・防じん仕様も採用しています。

日本ユーザーのニーズにこたえて生まれたという背面デザインの「OPPO Glow」も健在(ただし、ダークグリーンのみ)。普段使いには十分な性能もしっかり備えています。

(▲画像:おサイフケータイには引き続き対応。ダークグリーンには、キラキラと背面が光る「OPPO Glow」という処理が施されている)

 一方で、ややグレードが落ちたと指摘したように、防水・防じん仕様は前モデルの「IPX8/IP6X」から「IPX5/IPX6」にダウンしています。

デザイン的にも、海外で発表された「OPPO Reno11 F 5G」に酷似しています。よく見ると、チップセットやディスプレイなどの仕様も同じ。ベースモデルの域を超え、兄弟機とも言えるスペックになっています。

(▲画像:前モデルとのスペック比較。パフォーマンスなどは上がっている一方で、防水・防じん性能はグレードがダウンした)

 その意味で、Reno11 Aは、以前よりも“日本”の色合いは薄くなっている言えます。オウガ・ジャパンのプロダクト部 プランニングマネージャー 坂井公祐氏によると、「グローバルの仕様に合わせていくことで、スケールメリットを生かした」といいます。

コストを抑えつつ、より性能の高いモデルを導入するには、グローバルモデルと共通化する部分を多くせざるをえなかった事情がうかがえます。

 実際、Reno11 Aは性能面ではReno9 Aを上回りつつも、価格はほぼ変わらず、5万円を下回っています。円安ドル高が進み、部材費も高騰している中、性能を上げつつ価格を維持するには何らかのマジックが必要になります。

逆に、この数年間で日本と海外の市場要求が近づいてきたと見ることもできそうです。OPPO自身もReno Aシリーズの開発を通じて得た知見は当然グローバルモデルにフィードバックされるため、あえて専用機を作る必要性が薄くなっている側面もありそうです。

(▲画像:前モデルから2000円ほど高くなってしまったが、性能の進化を考えればほぼ据え置きと言ってもいい)

 グローバルモデルとの共通化が進んだReno11 Aですが、それによって性能はきっちり底上げされています。Reno9 AがReno7 Aからチップセットを据え置いていたのに対し、Reno11 AはメディアテックのDimensity 7050を搭載し、パフォーマンスが上がっています。

また、Reno Aシリーズとしては初めて、最大67Wでの急速充電「SUPERVOOCフラッシュチャージ」に対応。USB PDでの充電も55Wと高速です。

(▲画像:専用のチャージャーは必要になるが、最大67WのSUPER VOOCフラッシュチャージに対応している)

 また、バッテリー容量も5000mAhにアップしています。1年前のReno9 Aは18Wまでの急速充電しかできず、バッテリー容量も4500mAhだったため、電源回りは大きく強化されたと言っていいでしょう。

また、ミッドレンジながら生成AIも取り込んでおり、被写体の写り込みを消して背景を描き足す「AI消しゴム」にもアップデートで対応する予定です。

 課題だった動画撮影も、4Kの解像度に対応しました。こうした機能の数々を満たしながら、価格が大幅に上がっていない点は、まさにスケールメリットと言えます。

 ソフト面でも様々な面が進化しています。個人的に気に入ったのは、コピーした文字列を複数保存しておき、簡単に引き出せる「ファイルドック」という機能。

ポストボタンがないPDFなどのプレスリリースをX(旧Twitter)に投稿する際に、タイトルとURLをそれぞれコピペしながらアプリを行き来するような面倒が解消されます。かなりピンポイントなニーズですが(笑)。

(▲画像:コピーした文章や画像などを格納しておけるファイルドック。タブからすぐに呼び出せる)

 また、個人情報に該当する部分に自動でモザイクをかけてくれる機能も、「こういうのがほしかった!」と思えた機能です。

実際、自分の端末の電話番号を表示させた写真を撮り、モザイクをかけてみたところ、見事に頭の3ケタ以外を消してくれました。ただし、クレカはモザイクを貫通して番号が見えてしまった上に、ちょこちょこ消し漏れがあったので信用しきるのは少々危険ですが……。

(▲画像:個人情報を判別し、自動でモザイクをかけてくれる機能を搭載。電話番号はきちんと消えた)

 グローバルモデルに寄せることでスペックアップを果たしたReno11 Aですが、シャオミやモトローラなども同クラスの端末を投入しており、ライバルは増えています。

Nothingもおサイフケータイを引っ提げてミッドレンジモデルの領域に参入しており、ローカライズでも他社が追いつきつつあります。このような中で、OPPOとしての色をどう打ち出していくかは今後の課題になりそうです。


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《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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