非常に高性能な画像生成AI「ImageFX(Imagen 3)」の登場です。
FLUX.1がMidjourneyと並ぶ最高峰の画像生成AIとして注目を浴び始めてから2週間もたたないうちに、新しいAI画像サービスが、なんとGoogleから登場しました。それがImageFXです。
Googleは画像生成AIの新バージョンであるImagen 3をリリースしたばかりですが、この技術を使った「ImageFX」というサービスをGoogle AI Test Kitchenでスタートしています。これが生成する人物画像がとてもリアルだというので評判です。GeminiでもImagenを使った画像生成は可能なのですが、制限が厳しく、人物を含んだ画像の生成ができなくなっています。
▲GeminiのImagenでは人物画像が生成できない
ImageFXは、テキストプロンプトを入れると、4枚の画像が生成されるという仕組み。こちらは、人物の生成に制限がかけられていません。
ただし、不適切だとGoogleが判断した画像はブランク表示となります。4枚全てが表示されることはほとんどなく、厳しいチェックをすり抜けられたものだけが表示されるようです。それでも、人物の生成を全く許さない、Gemini Imagenよりは圧倒的に緩いと言えます。
プロンプトフィールドは日本語変換がうまくいかないため、コピペするしかないのですが、通ったとしてもおかしな結果になってしまいます。英語で入力しましょう。
新し物好きの筆者も試してみました。英国のロックバンドの写真を適当に指定すると、かなりリアルなステージフォト画像が出てきます。おかしくなりがちな楽器の形状もまともです。
これなら、架空のバンドのアー写が簡単にできます。
■日本の架空アイドル史(1968~82)
日本はどうでしょうか。「Photo of a very lovely and adorable Japanese idol in 19XX singing on stage」というプロンプトで年代順に追ってみました。
以前やってみた、1973年の歌謡曲歌手捏造みたいなやつがお手軽にできちゃうのです。
まずは1968年から。2枚目の写真は若き頃の藤圭子がアイドル化したような雰囲気です。
1969年。いしだあゆみっぽい感じがします。
1970年。ちょっと時代が遡ったような感じで、美空ひばりっぽさと、新宿あたりにいそうな、これはアイドルなのか?という女性。
1971年になると現代のアイドルにも通じる感じに。浅田美代子っぽいです。
1972年。これは黒木真由美っぽい? いや、もっと似ているアイドルがいたような。
1973年。フィフティーズファッションでしょうかこれは。
1974年も同傾向。ポニーテールでさらにフィフティーズ化。
1974年は4人が同時に生成されました。アイドルブームだったのでしょうか。布施明っぽかったり、和田アキ子っぽかったり、それはアイドルなのか、という疑問もありますが。
最後の女性アイドルはなんだか見覚えがあるような気がします。
1976年。これはジェネリック浅田美代子ですよね。
1977年。特に思い当たりません。他の画像もそうですが、指の処理が自然です。
1978年。実力派歌手なのでしょう。アイドル枠に入れられて憤慨してそうな雰囲気(違ってたらすみません)。
1978年。ヘッドセットマイクを使うなど、だいぶモダンな感じのアイドルになってます。「写真」がだいぶ退色しているみたいです。
1979年。元々はニューミュージックのシンガーソングライターでアイドル的な売り方もされてしまったけど、歌い上げる曲をもらって熱唱中……みたいな。
1980年。だいぶ今っぽさがあります。
1981年。彼女は人気出てそうですよね。
1982年。バックバンドのギタリストの演奏スタイルも様になっています。
1983年。アイドルアイドルしてます。
とまあ、世に出ることがなかった、架空のアイドルたちを生成してみました。Suno、Udio、LoudMeなどを使えば手軽に彼女たちに歌を作って、Runway Gen-3やLuma Dream Machine、KLING、Viduを使えば、動画も作れてしまいます。
架空のロックバンドを歴史に存在したかのように作っていく企画は、古くはモンキーズ、パートリッジ・ファミリー、最近ではデイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスなど多々ありますが、それを自分一人の手で作り上げていく面白さは、今の生成AIならできます。
なお、FLUX.1でも同じようなことはできます。ただし、その時代を感じさせるという意味ではImageFXの方が上のようです。
▲1970年のアイドル(Grok 2経由FLUX.1)
ImageFXは現在のところ、特に制限なく使えるようなので、思いっきり使い倒してみようと思います。
おまけ。1981年のアイドルにSunoで曲を作ってみました。タイトルは「星のひとりごと」。この曲と、彼女の写真をChatGPTに与えて考えさせた芸名は、星乃夢美(ほしのゆめみ)。
さらにRunway Gen-3 Alpha Turboで動画を作ってリップシンク。サビだけですが、歌を実在させてしまいました。さすがにここで取り上げた「アイドル」全てでやるつもりはないですが、こんな楽しみ方もできます。