Google Pixel 9を「1年間36円」で買った話。修理無料の保証加入必須で実質3万円強、事前応募でPayPay5000円分も (石野純也)

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石野純也

石野純也

ケータイライター/ジャーナリスト

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

8月22日に「Pixel 9」「Pixel 9 Pro XL」が発売を迎えました。9月4日には、残る2モデルの「Pixel 9 Pro」「Pixel 9 Pro Fold」の登場が控えています。

今回の目玉になりそうなのは、ノーマルモデルと同サイズになったPixel 9 Pro。画面の縦横比率を変え、国内最薄のフォルダブル端末になったPixel 9 Pro Foldも注目のモデルと言えます。


(Google Pixel 9 Pro(小さいほう)実機ハンズオンレビュー『日本向けPixel』のカメラとAI機能をチェック)

 そのような中、筆者が自腹購入したのはノーマルモデルのPixel 9でした。複数台持ちということでPixelに望遠カメラがなくてもほぼ困らないことや、Pixel 9シリーズは現時点でAI関連機能にさほど差がないこと、さらに言えばWintergreenの色味やフレームの光沢感を抑えた質感が好みだったことがノーマルモデルを選んだ理由です。

▲画像2、3
プロにはないグリーンの色味や、光沢感を抑えたフレームも筆者の好みにミートしていた

 それ以上に決め手になったのが、価格の安さ。と言っても、Google自身の本体価格ではなく、ソフトバンクが繰り出してきた“実質価格”のことです。

ソフトバンクは、発売日からPixel 9の月額価格をわずか3円に設定。1年間使った場合でも、価格は36円にしかなりません。毎月の支払いは、駄菓子以下。買ったと言っても、財布へのダメージはほぼゼロです。

 ただし、これはあくまで1年利用時の実質価格の話。ソフトバンクの端末購入プログラムである「新トクするサポート(プレミアム)」を利用し、1年後に下取りをした場合に適用される本体代金のみがこの価格です。

また、新トクするサポート(プレミアム)の場合、1年での下取りには端末代とは別の「早トクオプション」という料金がかかるため、追加で1万9800円の支払いが必要になります。

▲画像4
ソフトバンク版は、12回目までの支払いが月3円。1年での下取りには別途、早トクオプションの1万9800円がかかる

 一方で、ここまで加味しても、1年間での実質価格は1万9836円。元々10万円を超えるモデルを購入するための金額としては、破格の安さと言えるでしょう。(ただし、1年での下取りには保証サービス「あんしん保証パック」加入も必須です。詳しくは後述)。

Google自身も下取りやストアクレジットを組み合わせて実質価格を下げていますが、キャリアの端末購入プログラムの場合、購入する端末を下取りに出す前提で実質価格を抑えられるため、手元に売れる端末がなくてもOKなのがメリットです。

 これに加えて、ソフトバンクでは抽選でPayPayポイントが当たるキャンペーンを展開しています。抽選と言っても、最低でも4等の5000ポイントは必ず当たる仕掛け。当然ながら筆者もこれに挑戦し、5000ポイントをゲットする予定です。これを実質価格の計算に含めると、1万4836円相当になります。

▲画像5
事前登録でPayPayポイントが必ず当たるキャンペーンも実施している。4等はどのモデルも5000ポイントのため、元々価格が安いPixel 9のお得度が際立つ

 なお、もし1等が当たっていればPayPayポイントは2万円ぶんになっていました。キャンペーンは携帯電話番号を登録する形だったため、ありったけの回線を使って挑戦しましたが、残念ながらすべて4等。

当選確率は低そうなものの、1等だった場合には、実質価格がマイナス137円になります。端末を買えば、わずかながら儲かってしまうので、挑戦してみる価値は高いと言えるでしょう。

 ソフトバンクが端末販売に割賦を取り入れた当初、孫正義社長(当時)が「0円大好きソフトバンク」(ただし頭金のみ)と発言したことを今でも記憶していますが、その精神を今もしっかり受け継いでいることには感銘すら覚えます。他キャリアはここまでPixel 9を安くできていないため、ソフトバンクならではの戦略的な価格設定と言っても過言ではないでしょう。

 実際、同じPixel 9シリーズでもその他のモデルは実質価格がここまで抑えられていません。Pixel 9のみ、48分割の前12回が3円と異常な安さになっており、端末の下取りで残りをすべてチャラになります。

逆に、Pixel 9 Proや9 Pro XLの場合は前12回の方が支払額が多いほど。意図的かつ戦略的にノーマルモデルの価格を引き下げていることがうかがえます。

▲画像6
Pixel 9 Proは12回目までの支払額が13回目までより高い。結果として、実質価格は本体価格以上に差が開いている

 ちなみに、ここまであえて言及してきませんでしたが、新トクするサポート(プレミアム)で1年返却をするには、「あんしん保証パックネクスト」への加入が必須になります。

この点は、プレミアム以外の新トクするサポートとの違いと言っていいでしょう。Pixel 9の場合、あんしん保証パックネクストの月額料金は990円です。

 保証サービスを考えていなかった人にとっては追加の出費になりますが、筆者は、元々これに入ろうと決めていたため、今回は実質価格に含めていません。

本体代金以外もすべて含めた1年間の総出費額で考えると、本体代金が36円、あんしん保証パックネクストが1万1880円、1年で下取りする際の早トクオプションが1万9800円、計3万1716円になります。月額にすれば2643円。PayPayの最低5000円相当を引けば月2226円相当です。

あんしん保証パックネクストはかなり手厚いサービスで、画面割れなどすべての修理サービスが年二回まで無料になり、正規サービスプロバイダーのiCracked店頭で即日修理も受けられます。盗難・紛失等で手元になくなった際も、8250円の負担で新品同等の交換機種が利用可能です。

▲画像7
1年での下取りをする場合、あんしん保証パックネクストが必要になる

 同じ保証サービスだと、Googleの「Preferred Care」は2年で1万7000円。1年で解約したとすると8500円の返金を受けられるので、保証サービスとしてはGoogleのほうが割安と言えますが、店頭修理が無料になるような特典はありません。

バキバキになったスマホを使っている人も見かけますが、そういうユーザーこそ、入っておいた方がいいサービスと言えるでしょう。

▲画像8
Google自身も保証サービスのPreferred Careを用意している。料金だけで見ると、こちらの方が安い

 いきなりPixel 9の格安販売に打って出たソフトバンクですが、他社がこれを黙って見ているとは思えません。実際、「Pixel 8」も各社が徐々に値下げしていった結果、廉価モデルだったはずの「Pixel 8a」と横並びになり、同モデルの登場インパクトを打ち消してしまう事態にもなりました。

Pixel 9でもこうした競争が起こる可能性もあるため、同機を狙っている人は、価格の推移を注視しておいた方がよさそうです。

《石野純也》

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慶應義塾大学卒業後、新卒で出版社の宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で執筆、コメントなどを行う。ケータイ業界が主な取材テーマ。

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