iPhone 16など「アップル秋の新製品」を本社で触ってきた Apple Watch Series 10 / Ultra 2 / AirPods 4も(西田宗千佳)

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西田宗千佳

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フリーライター/ジャーナリスト

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1971年福井県生まれ。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、ネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。主に、取材記事と個人向け解説記事を担当。

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今年もiPhoneなど「アップル秋の新製品発表」のために、米アップル本社に来ている。

▲ アップル本社のスティーブ・ジョブズシアター内にあるスペースでハンズオンを実施

発表会後のハンズオンの様子を、写真多めでお届けする。


■ iPhoneのデザインテイストは継続、意外と派手なデザートチタニウム

やっぱり多くの方が、新しいiPhoneに注目しているだろう。

今回、スタンダードモデルである「iPhone 16系」は5色、「iPhone 16 Pro系」は4色展開だ。

▲ iPhone 16系統を5色並びで

▲ ホワイトとブラック

▲ ウルトラマリン

カラーリングのテイスト自体は基本的に過去モデルと似ているが、iPhone 16 Pro系の新色である「デザートチタニウム」は、写真などから受ける印象よりも派手めだな、と感じた。


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▲ iPhone 16 Pro。カラーはナチュラルチタニウムとデザートチタニウム

▲ デザートチタニウムは意外と派手めな仕上げ

▲ 16 Proと16 Pro Max。カラーはナチュラルチタニウム

今回、各機種のサイズはあまり変わっていない。画面サイズが6.7インチから6.9インチになった「iPhone 16 Pro Max」は少しサイズが大きくなっているのだが、見比べればわかるかな……? くらいのところ。そんなに目立ったサイズ変更ではない、という印象だ。


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■新UI「カメラコントロール」登場

それよりも変化を感じたのは「カメラコントロール」の搭載だ。

▲ iPhone 16 Pro Max(ナチュラルチタニウム)の「カメラコントロール」

この機能はいわゆる「カメラの起動」「シャッターボタン」なのだが、単なるボタンにはなっていない。

押し込みもできるが「スワイプ」「半押し(軽く押す)」的なUIにも対応していて、「押すだけでない」使い方を指向している。

ズームを切り替える時には横にスワイプし、ビデオを撮る時には押しっぱなし。半押しでフォーカスだけをロックしてアングルを変える、という、一眼などでおなじみの使い方もできる。

▲カメラコントロールで「ズーム操作」中

▲カメラコントロールの長押しでビデオ撮影

その性質上、ケースも「単に穴があって押せる」だけではダメで、穴の形状を変えるなど、指をスワイプしやすくする工夫などが必要になる。

会場での展示はなかったが、iPhone 16シリーズ用の純正ケースは、カメラコントロール部に穴を開けるのではなく、静電容量センサーによるスワイプと物理ボタンによる押し込みの両方に対応する素材が埋め込まれる形となっているそうだ。

どのケースでも快適な操作ができる、とは言えない部分があるので、「iPhone 16シリーズ発売直後に安価なケースを探す」場合、ちょっと注意が必要になってきそうだ。

こちらも会場では試せなかったが、カメラコントロール機能は「Apple Intelligence」とも大きく関わってくる。

縦にiPhoneを持った状態で押すことで、周囲の映像を「Apple Intelligenceに伝える」役割を果たすためだ。

▲基調講演映像より。後日公開されるApple Intelligenceとも連携

例えばポスターの中の日程を予定表に登録したり、写っている製品がなにかを調べたり、といった使い方ができる。

そうしたAI・検索連携自体は「Googleレンズ連携」としてAndroidにもあるが、カメラ向けの独立したボタンをAIとカメラ撮影で使い分ける、という操作の一貫性はアップルらしいところだ。

ただ、日本でApple Intelligenceが使えるのは2025年以降なので、まだだいぶ先の話にはなるが。

■Ultraより画面が大きい「Apple Watch Series 10」


Apple Watchは新機種「Series 10」が登場した。

▲ Apple Watch Series 10。斜めから見ると特に薄さがわかりやすい

こちらはディスプレイサイズが46mmと42mmになり、さらに大きくなった。初代のApple Watch(2015年発売)は大きい方が42mmだったが、いまやそのサイズと「小さい方」が並んでしまった。

Series 10ではアルミニウムとチタンの二系統が用意され、価格も異なる。この辺りは好みと予算に応じてチョイスするところだろう。


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▲ Series 10のアルミニウムモデルだが、片方はシルバーで片方はジェットブラック。安価なモデルだがけっこう高級感がある

厚さはスペック上1mmしか変わらないのだが、特に46mmについては、画面サイズが大きくなった分、より薄くなった印象が強い。

新たに「睡眠時無呼吸の通知」に対応するが、この機能はSeries 10の他、Apple Watch Series 9およびApple Watch Ultra 2でも利用できる。要は使っているプロセッサーが「S9」もしくは「S10」の機種で対応する、とのことだ。

なお、「睡眠時無呼吸の通知」は厚生労働省の定めに基づく「管理医療機器販売業者」認定を受けた上で提供されるもの。機能実装としては、「寝て起きたら1度で無呼吸症を判断できる」ものではなく、何日間かつけ続けて「傾向を把握する」機能に近い。

wacthOS 11には「バイタル」という機能がある。これは夜間、睡眠中に得たデータを生かして「身体の変化傾向を見る」機能。「睡眠時無呼吸の通知」と同じく、一定期間付け続ける必要がある。

そのためか、これらの機能に対応するモデルは、プロセッサー性能だけでなく「長時間動作」も1つの条件になってくる。

新機種であるSeries 10は唯一「30分で80%まで充電」が行える急速充電に対応する。この点は、他機種を選ぶ・買い替えるなどの点で留意すべきポイントと言えるだろう。同じハイエンドモデルでも、機能(Series 10)かアウトドア向けの堅牢性(Ultra 2)かは、けっこう悩ましいところだ。

▲ Apple Watch Ultra 2の新色「ブラック」とUltra用ミラネーゼループの組み合わせ


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■AirPods 4は「ノイキャンあり」がおすすめ


会場には「USB-C対応AirPods Max」と「AirPods 4(アクティブノイズキャンセル対応モデル)」もあった。

▲ AirPods Max(USB-Cモデル)と、AirPods 4

前者はカラーリングとUSB-C対応が中心。機能的な差異についてはもう少しリサーチが必要な状況だ。

AirPods 4については、実際に耳に入れて音も確認できた。

▲ AirPods 4・アクティブノイズキャンセル対応モデル

一見して差がわかりづらいが、旧機種に比べると、耳介に当たる面積が変わっていて、「耳介のいろんなところで支えるようになった」印象が強い。そのためか、入れて頭を振ってみた時の安定感が増している。ただここは属人性が高いところなので「誰にとってもそうである」と断言できる状況ではない。

オープン型ではあるが、一聴した感じでは、アクティブノイズキャンセルの効きは悪くない。「初代AirPods Proくらい」の印象だ。少なくとも、低音を中心とした騒音が大きいハンズオン会場のノイズはキレイに消えた。

ノイズキャンセルのない下位モデルは会場になかったが、違いは「ノイキャンの有無」に加え、「FInd My(探す)機能の有無」、そして「ワイヤレス充電機能の有無」だそうだ。これで8000円の価格差なら上位機種の方が良さそうだが、その辺は懐次第でもある。


《西田宗千佳》

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