Proではない無印の iPhoneと、高価な上位版 iPhone Pro にはこれまで様々な格差がありましたが、今年の iPhone 16 は従来よりも Pro 同等の部分が多い製品になっています。
Appleのハードウェアテクノロジー担当シニアバイスプレジデントの Johny Srouji 氏は极客湾kのインタビューに答えて、iPhone 16(および16 Plus)が、上位の iPhone 16 Pro / Pro Max と同じ8GB RAMを搭載することを明言しました。
昨年の iPhone 15 (無印) は6GB RAM搭載だったため、今年の iPhone 16は前モデル比で33% RAMが増えたことになります。
Srouji 氏は iPhone 16に8GB RAMを搭載した判断について、様々なユースケースを考慮したうえでの総合的な判断と前置きしつつ、AppleのAIプラットフォーム Apple IntelligenceがRAM増量を決めた大きな要素であると語っています。
Apple が自社デバイスに導入する様々なAI機能の総称であり、技術的基盤でもある Apple Intelligence は、iPhoneでは2023年の iPhone 15 Pro / Pro Maxと、今年の iPhone 16シリーズ全機種でのみ利用できます。
2023年の iPhone 15 Pro が対応して無印の iPhone 15では使えない理由については、RAMの搭載量が Pro の 8GBに対しiPhone 15では6GBと差があり、快適な動作ができないためではないかといわれてきました。
(Googleの Pixelシリーズも、今年は Gemini AIに力を入れる判断から、標準の Pixel 9も含めて大きくRAMを増量しています)
Appleが今年のiPhoneでは高価なProも標準モデルの iPhone 16も同じRAM量を選択したことは、Apple Intelligence のAI機能を看板にしたい、Proユーザーだけの特別な機能ではなく iPhone 全体の差別化要素として力を入れたい姿勢を印象付けます。
■ iPhone 16 シリーズは RAM量もプロセッサ世代も同じ・差別化点は?
なお、iPhone 16はRAMの量だけでなく、プロセッサも上位の iPhone 16 Proと同じ世代の A18採用 (ProはGPUコアが1つ多いなどやや優位な A18 Pro搭載)。
昨年の iPhone 15世代では、無印がA16 Bionic、ProがA17 Proとプロセッサでも格差がありました。
▲画像:ベゼルが細く画面が広い iPhone 16 Pro
無印 iPhone 16 と iPhone 16 Proのあいだには、プロセッサとRAM量のほかにも多くの差があります。たとえば、
光学5倍レンズ(望遠カメラ)
USB-CがUSB 3対応(最大20倍データ転送が速い)
ディスプレイのベゼル(額縁)が細く画面比率もサイズも大きい
ディスプレイ表示が滑らかなProMotion対応(スクロールしながらでも文字が読みやすい)
常時表示ディスプレイ(スリープ時も超低消費電力で時計や通知、ウィジェットを表示)
超広角カメラの画素数が4倍の48MP、 ナイトモードのポートレートやセンサーシフト式光学手ブレ補正が第二世代、ProRAW撮影などカメラ機能・画質差
スタジオ品質の4マイク
逆に共通の点としては、半押しやスライドでカメラ撮影やモード選択ができる「カメラコントロール」ボタンの新設、昨年からProが搭載していたアクションボタンがあります。
このほかにも、たとえば無印 iPhone 16 のほうがカラバリが豊富で鮮やかな色合が多いなど、Proを選ぶ理由、無印を選ぶ理由はユーザーにより様々ですが、目玉の Apple Intelligenceと、カメラの操作性でいえば無印 iPhone も良い選択肢になりそうです。