AI作曲においていい曲を生み出すためのカギになるのは、音楽スタイルの選択もありますが、良い歌詞であることが重要です。
良い歌詞であれば、AIシンガーが頑張って感動的・エモーショナルな歌唱をしてくれるし、曲も盛り上がります。
Sunoは一発でけっこういい歌詞を作ってくれることが多いですし、ChatGPT、Claudeなどはなかなか優れた作詞家ですから、任せとけばいい……。そう思ってました。SunoのLyrics Editorを体験するまでは。
Sunoに新たに装備された歌詞エディタが実に優れものなのです。
新しいSunoの歌詞フィールドには、自分で歌詞を書き込む最大3000字までのフィールドの上に、「Write with Suno」の文字列と、その右に「Full Song」「By Line」のボタンがあります。
Full Songは1曲まるごとの歌詞をプロンプトで生成するモード。By Lineは1行ずつ練っていくことが可能なモードです。
まず、Full Songから。広い歌詞フィールドの下部に、プロンプトを入力するところがあります。ここに書きたい歌詞のテーマを入れると、生成してくれます。
歌詞生成のアルゴリズムとして、従来のコンサバティブなClassic modelと、冒険した感じのReMi lyrics modelが選択可能。ここまでは従来と同じなのですが……。
Write Lyricsボタンを押スト、同時に2つの歌詞が生成されます。
SunoではCreateボタンを押すと2つの楽曲が同時に生成されますが、それと同じように、1曲分の歌詞が2つ生成されるわけです。どちらを選んでもOK。
選択すると、曲タイトルも入力されるので、あとは音楽スタイルを決めるだけ。
複雑なテーマを持った歌詞は、従来であればChatGPTやClaudeなどのLLMを使うことが多かったのですが、これならば試行錯誤もしやすいです。Sunoの中だけでAI作詞が便利に使えます。
筆者が強くお勧めしたいのはもう1つのモード「By Line」です。これは、強力な作詞支援エディタと言えるものです。
いったん歌詞フィールドに入った状態でBy Lineボタンを押すと、次のようになります。
歌詞フィールドのカーソルがある部分の左にもう1つ入力画面がポップアップし、そこにプロンプトを書き込めるようになっています。
ここに書き込んだプロンプトを反映し、1行またはVerse、Chorus単位で生成された歌詞の断片を、カーソルに挿入するという仕組みです。
歌詞エディタのフィールドでは自分で入力・修正することもできます。部分的に気になるところは修正していいですし、プロンプトに修正の指示を出すことも可能。
気に入らない部分は選択してRewriteボタンを押すだけで代替案を出してきます。
歌詞はゼロから考えることもできます。
気に入らない時には選択してReWriteすればいいですし、自分で思いついたフレーズがあれば、それを使うことももちろんできます。
どのようにリライトして欲しいかの指示もできます。
違和感のある部分はこのように直していくこともできます。
こんなやり方で作ったのが次の曲です。
プロンプト一発で作るのもいいですが、1行ずつ(AIのサポートを受けながら)書いていくと、ガチャを繰り返さなくても、それなりにいい曲になる気がします。
この歌詞エディタは、AIで全てを作る人でなくても、作曲や演奏、歌は自分でやりたいんだという人にとっても使いやすいツールと言えるのではないでしょうか。
作詞を専業としている人にとっても、作った歌詞だとどのような曲が作られるのかをすぐに確認でき、フレーズ単位、単語単位での改善をしやすくなるのではないでしょうか。
Timbalandとのコラボをはじめとして、音楽制作の現場にも食い込み始めているSunoの新しい展開として見ると、なかなか面白いです。