ファーウェイが2月18日に発表した世界初の三つ折り型スマートフォン「Mate XT Ultimate Design」のグローバルモデルは、2月下旬からアジアの一部国を皮切りに世界各国で販売される予定です。
発表会の行われたマレーシアのクアラルンプールでは、Mate XT Ultimate Designを思う存分触ることのできる体験スペース「HUAWEI Foldable Exhibition」が高級ショッピングモール、Pavilion Kuala Lumpurで開催されました。
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体験スペースの入り口では、最初にMate XT Ultimate Designの3つ折りディスプレイを実現したヒンジ構造をビデオで簡単に説明。2つのヒンジそれぞれ部品を効率よく組み合わせることでパーツ数を減らし、本体全体の厚みも抑えています。
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そのままブース内に入ると、Mate XT Ultimate Designのディスプレイが2か所で曲がる形状であることを生かした展示が行われていました。これは最近日本でも街中で見かける、映像が飛び出るような3D広告映像をデモしたもの。角の部分で飛び出るように作成された動画を、Mate XT Ultimate Designの1か所の角を山折に曲げた状態で再生すると、疑似的に3D動画を体験できます。
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実際にPavilion Kuala lumpurの屋外にあるデジタルサイネージでも似たような映像を流していました。
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この暗室のような空間を抜けると製品の体験スペースになります。中央の囲われた場所に円形に配置されたテーブルが置かれ、Mate XT Ultimate Designを自由に触ることができます。展示されていたのは赤モデル、黒モデル、それぞれ4台ずつ、合計8台でした。
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店舗では店員さんの存在がちょっと気になってしま事もあるでしょうが、ここではそれを気にする必要がありません。ショップではないので製品を買う必要もなく、さらにMate XT Ultimate Designについて気になる点があればスタッフに質問することもできます。ディスプレイを片手で曲げてみたりなど、実際の使い勝手も試せます。
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曲げたり伸ばしたり……。
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本体の質感を味わってみたり……。
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閉じた状態で持ってみて、厚すぎないかとか、側面のディスプレイ部分はヤワじゃないか……などなど、納得いくまで確認できます。
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これは筆者も気にしていたことなのですが、2つのヒンジのうち、内折りになる側のディスプレイ部分の「筋」は実際に使っていてどうなんだろう、と思っていました。写真の写し方によっては下のように筋が結構はっきり見えるのですが、実際はそこまで気にはなりません。それよりも普段はスマートフォンサイズなのに、完全に開くと10.2インチのタブレットとして広いスペースを使えるという利便性が大きく勝ります。
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なお、製品だけではなく、ヒンジ部分を分解したパーツや、カメラベゼル部分の製造工程もパーツで紹介するなど、Mate XT Ultimate Designの内部も一部見せてくれます。これだけでもコストがかかるモデルであることがわかるのです。
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Mate XT Ultimate Designが製品化できたのは、ファーウェイの長年のスマートフォン開発技術の積み上げの結果です。それを見せるために、他の製品の展示も行われていました。この展示は2つ折りスマートフォンの最新モデル「Mate X6」のディスプレイの強度を見せる展示。折りたたみディスプレイ裏の保護プレートを使い、バイクを中からぶら下げています。これだけの重さがかかってもディスプレイが変形することはありません。他にも本体のフレームに重りを衝突させるデモも行われました。
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体験スペースではMate XT Ultimate Designと同時に発表された製品として、紙のような質感で反射を抑えたPaperMatte Display搭載のタブレット、「HUAWEI MatePad Pro 13.2」も展示。一般的な液晶や有機ELディスプレイのタブレットを並べ、天井などの照明が写り込まない様を見ることができました。これを体験してしまうと、もう普通のディスプレイには戻れないと実感します。
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他にも最新のスマートウォッチなども展示。できれば新しいリストバンド「HUAWEI Band 10」を使ったモバイル決済のデモも見たかったのですが、今回はありませんでした。
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日本ではスマートウォッチやワイヤレスイヤホンの新製品を次々と出しているファーウェイですが、日本未発売の製品であっても、Mate XT Ultimate Designのような革新的な製品は何らかの形で日本国内で見せてほしいもの。たとえば季節ごと、あるいは上半期と下半期などに、「ファーウェイ夏の祭典2025」のような製品体験イベントの開催を期待したいものです。
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